海で・・ 554
ああそうなんだ…涼には真帆よりも思う人がいたってことなのか…
涼程の容姿を持ってすれば、女の子には不自由なんてしないだろうから今度は上手くいくよね;…
まあそれよりも、今晩家に泊まるとなると…涼の童貞喪失も時間の問題のような気もしないでも無いけどな;…
涼は軽くシャワーを浴びると、すぐに風呂から出てしまった。
「なんだ、早いな」
「いつもああなんじゃないか?」
彰人と2人、少しにやけながら話し合う。
「涼の好きな人って誰なんだろうな」
「この前、俺たちのとこに来た先輩いたじゃん、俺あの人だと思う」
ああ、遠藤先輩かな?
そう考えると、涼と遠藤先輩はとてもお似合いだ…
涼は僕と同様に、ぐいぐいと引っ張って貰いたいタイプだからね…
「いいんじゃないか…僕は涼を応援したいよ…」
「だろ…その為にも今日はアイツに童貞卒業して欲しかったんだけどな…」
おいおい;…彰人だってつい数時間前に卒業したっていうのに、随分と上から目線だったりしませんか?…
…まあいいか。
彰人が満足ならそれでいいんだ。
涼が出てからしばらくした後、彰人と僕も風呂から出る。
出たときにはすでに夕食が出来上がっていた。
「すげえなー…これ野上が作ったのか」
「みんながいるから、腕によりをかけたよー」
「ホント、見た目によらないというか…」
「…それって褒めてんの?」
初音がニヤリと笑って彰人を見る。
「あ、いや;…なんか料理が出来る女の子っていいなぁ〜って思ってさ…」
顔を赤らめる彰人…
「芝田の口に合うかどうか分からないよぉ。それより髪、まだ濡れているよ…」
彰人の首に掛けたタオルで後頭部を拭いてあげる初音…
なんだよなんだよ…カップル誕生かよ?;…