海で・・ 551
少し現実に引き戻されたが、しばらく僕はみんなとまったりした時間を過ごしていた。
窓の外はオレンジ色の夕日に照らされる。
「もうこんな時間か…」
1日って結構早いものだな。
「芝田と高柳はどうするの?私たち一馬のお家に泊まるんだけど」
茜が言った。
おい;…そんなこと聞いてないけど;…
「お前らが泊まるんだったら、俺もそうしようかな?…どうする?涼…」
「ああ…別に家に帰ってもやることないし…そうさせて貰うかぁ…」
おい;…だから勝手に決めるなよぉ;…
「一馬は、それでいいのか?」
涼が尋ねてくる。
…なんだかんだで、気遣ってくれるんだね、いい奴だ。
勝手に話が進んでいるとはいえ、嫌なわけではない。
みんな帰ってしまうと家には僕1人なわけだから。
ただ、これだけの大人数がいるとなると、ちょっと困るかも。
「あ、別に迷惑って訳じゃないんだけど…これだけの布団、無いんだよね…」
柔んわりと断ってみる…
「それなら心配無いよぉ〜。そんなこともあると思って、お相撲さんの衣装も持って来たんだよぉ!」
茜;…確かにその肉襦袢着て寝たら、さぞかし暖かいでしょうがね;…
まあそれでいいなら…
「寝る場所もどうしようか?」
「別に気にすんなよ、俺らは雑魚寝でも構わないから」
彰人が言う。
まあリビングと隣の和室があるから、なんとかなりそうだ。
あとは…やはり真帆の視線が気になる。