海で・・ 543
…まったく、誰だ。誰なんだ。
ああ、アイツしかいまい。
…あとでお仕置きしましょうか。返り討ちにあいそうですけど。
リボンは取ってすぐに捨て(せっかくだけど悪いね)、脱ぎ散らかした服を着る。
「zzz…かずまぁ…」
…初音さん、いったいどんな夢をご覧になっているのでしょう。
和室の時計に視線が行く。
うわぁ、もうお昼か。
…朝から濃密な時間を過ごしていたわけですね、なんかあっという間だ。
そっと襖を開けると、皆が楽しそうにテーブルを囲んでいた…
「おっ?!エロ男爵、お目覚めっすか!」
いち早く僕を見つけた彰人が囃し立てる…
「なんだよそれ;…エロいことしてたの僕だけじゃないじゃん…」
僕は顔を赤らめながら、彰人にベッドロックを掛けた…
「痛え痛え、こっちだってヤられっぱなしだったんだからよ…」
「全く…」
彰人を解放し隣に腰掛ける。
「はい、一馬くんも食べてね〜」
優ちゃんがお皿を持ってやってきた。
「ああ…ありがとう…優ちゃんが作ったの?」
「お礼です…美味しいかどうか分かりませんけど…」
頬を赤く染めながら、優ちゃんが言う…
「お礼だなんて;…ちゃんと出来たかどうか心配だよ…」
僕は照れながら頭をかいた…
「なんだなんだ〜それなら私もお礼して貰わなくっちゃ!」
ソーセージを意味深にくわえながら、茜が彰人に流し目を送った…
「お、俺に料理しろっていうのかよ!?」
「今の男は出来たほうがカッコいいんだよ〜」
困惑の彰人に、茜はニヤニヤ。
まあなんにしても、美味しいのには変わりない。
優ちゃんの微笑む顔が可愛い。
「初音は?」
「気持ちよさそうに寝てるから、起こす気になれなくて…」