海で・・ 515
それは知らなかったよ…
男だって、すべて出し切った後は体の力が抜けて、物凄く疲れた気分にはなるけど、意識がなくなるまではないもんなぁ…
「だから、優ちゃんはしばらくこのままで」
「うん、わかった」
「着替えようか」
真帆は置いてあったカバンから衣装を取り出す。
中世を思わせる裾の広がったドレス…
「それってジュリエット?…」
「うん…一馬くんがロミオなんだから、私はこれしか無いでぇしょ〜」
やっぱ僕…あんなタイツを掃かなくちゃいけないんでしょうかね?;…
徐に衣装を着だす真帆…
「ふぇ?…パンツとブラは着けないの?…」
「うん、この衣装のときは着けない方がいいって香織先生が言ってたから」
「そうなのか…」
ところによっては透けて見えそうだけど、それ着て人前に立つんだよね?
「別に一馬くんは下着穿いていいからね?」
「…いや、着けないっていう選択肢ないからさ、そもそも」
「そうだよね、それこそあんなタイツの下に何も着けないと丸見えだもんね。」
あ…そういう事でも無いんだけど;
そもそもというのは、ノ―パンで服を着るなんてこと…僕としてはありえない訳で…
まあ、そんなことこのエロ猫ちゃんに説明したところで、分かっては貰えないだろうけどね;…
…そんなわけで、僕と真帆はいそいそと衣装に着替えた。
「どうかなぁ、これ?」
ドレスをまとった真帆が部屋の中でクルクル回る。
「うん…素敵だと思う」
こういう衣装を着た真帆を見るのは初めてだ。
演劇部…意外とコイツには合ってるのかもな。