海で・・ 495
…そのほんの少しの勇気を出してやるのが恥ずかしい仮装、ましてや彰人は女装。
男としてのプライドを持っていれば、なんとしても避けたいものかもしれない。
彰人と涼にそれがあるかは知らない。
ニコニコしながら朝食を楽しむ四人。
その顔が見られるだけで良いかもしれない。
腹一杯に完食すると、料理をしなかった真帆と茜それに優ちゃんが、後片付けを勝手出た…
…やっぱ女の子なんだから、それぐらいはしなくちゃだよな…
「あ、初音は先に一馬くんの部屋に行っててよ〜」
真帆さん…誰が僕の部屋に入っていいなんて言いましたっけ;?
「一馬くん…いいの?」
「あ、もちろん…汚い部屋だけど、遠慮しないでいいよ…;」
キッチンで食器を洗う3人を見届け、僕は初音を2階の自分の部屋に案内する。
「一馬の部屋、初めて入るな」
「汚いし狭いし、何もないよ…」
「掃除してあげようか?」
「これ以上初音に気を使われると…」
照れくさいし、男としてどうかと思ってしまう。
「いいよ?私、一馬のためなら何でもしてあげたい…」
穢れなき笑みを浮かべる初音に、ドキッとしてしまう。
「そんなこと言われると、誤解しちゃうだろ…」
僕は背を向けベッドに腰を下ろす。
「いいよ誤解しても…私、その為に今日来たんだもん…」
「その為って…皆もいるのに…どうせ、からかってんだろ?…」
「からかってなんかいないよ…じゃなきゃこんなこと恥ずかしくてできないもん…」
へぇ?…恥ずかしいって…?
「うぁ!…何でオッパイ出してんだよ!?…」
着ていた服をたくし上げ、大人びた黒のブラを見せ付ける初音。
それに包まれる豊満な乳房。
「だから言ったじゃん…一馬のためなら、何でも出来るって…」
そう言って初音は服を脱ぎ捨てた。
「お、おい…みんなが来たら…」
「大丈夫。したくなったらしてもいいって、みんなで約束、したんだ…」