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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 486

「それでも優勝だなんて凄いじゃないですか!」
去年の演劇部の輝かしい功績は、僕でも知っていた。

「去年までは男子の先輩がいてね…その先輩のお陰で取れたようなもんなんだ…」
声が少し弾んでいた…
植田先輩はその人のことを…?

「今、その先輩って人は?…」
「もう…いないんだ…」

困ったような、寂しそうな、それでも笑顔の植田先輩。

…ああ、去年だから、植田先輩は1年生で、その人が3年生だから、もう卒業して会えないんだな、と思っていた。
きっと今はここから遠くで暮らしているのだろう、と。

「…今年、涼くんが入部してくれて本当によかったと思ってる」
後ろでメイド服を初音に突き出され困っている涼…
こういう微笑ましい?姿も植田先輩の望んでいたものだろう。

「本当は…一馬くんに着て欲しかったんだけど…だから明日、これ着てくれないかな?…」
植田先輩が一枚の衣装を差し出す…

「へっ?…何なんですこれ?…やけに手が込んでいません?」
金色の刺繍の施された上着は、中世の貴族の衣装だろうか?…

「ふふ…ロミオの衣装…ロミオとジュリエット、知ってるでしょ?…」

「え、ええ…知ってますけど…いいんですか?これ使うものでは…」
「うん、一晩くらいなら大丈夫。それに、もしものときの為に予備もあるし」
植田先輩が衣装を手渡してくれた。

「あ、一馬くん、それ着たいの?」
真帆が近づいてきた。

「いや別にそういう訳じゃ…;」
コスプレをして喜ぶ趣味なんて無いもんね…

「一馬くん似合うと思うな。これの下ってバレエダンサーみたいなピチピチのタイツなんだよね」
なんか前に香織さんにも同じようなこと言われた気がするよ;…

「女の子たちの前で、そんな恥ずかしい格好出来る訳ないよ…」
「あらぁアレよりはマシじゃない?」

うぇ!彰人なんて格好させられんだよ;!…

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