海で・・ 481
いくつかの選択肢を抱え、翌日、また学校へ。
「おはよう」
「おはよう」
…うーん、周りに人がいる中じゃ聞きづらいな。
かといって呼び出したらなんか誤解を受けそうだ。
向こうで楽しそうに話している真帆・茜・初音・優ちゃん・工藤さんの5人。
いつの間にか仲良し5人組が出来ている。
「よう一馬!、また女の子の尻見てんのか?」
彰人に背中を叩かれる。
「失敬な!お前と一緒にすんな…」
「ははは!何無気になってんだよ?…さては図星かぁ〜…」
「な、訳ねーだろ!僕はお前らと違って、女の尻でいちいち欲情なんてしね―んだよ!…」
「おっとぉ〜お前『ら』って、それってまさか僕のこと言ってる訳じゃないよな?〜」
「あっ、涼;…お前いつ来たんだよ;…」
「お前らより先だよ…トイレ行ってたから」
「おっ、朝から内田先生で一発かぁ?」
「彰人…お前なぁ…」
…まったく、いつも通りの2人だ。
「それより2人とも、昨日はあの後どうだったんだ?」
…僕の問いに無言の涼と彰人…
おい、まさか進展なしじゃないだろうな?
「一馬はどうだったんだよ?…まさかエッチなことなんて…してないよな…?」
おいおい彰人;…僕は盛りのついた獣かよ?;
「する訳ないだろ;…唯とは昨日のあれが初対面だったんだぜ…!」
「ん?…今『唯』って言わなかったか?…」
涼;…あかりさんみたいに突っ込まないでくれよ;…
「ああ言ったさ…お互いに余所余所しくしないために、そう決めたんだよ」
「かなり親しくなったんだな…お前」
「そうでもない、と思うけど」
なんだか恥ずかしくなって、頭をポリポリと掻く。
「…なんで一馬は女の子とすぐに仲良くなれるんだよ…俺らといったい何が違うんだ?」
彰人が半ば本気で悩んでいる。
「一馬くんは心もイケメンなのだよ♪」
そう突っ込みを入れたのは意外や意外、優ちゃんだった。