海で・・ 471
「じゃあ、別の女子を…?」
涼が遠藤先輩に尋ねた。
「うん、君たちに見合うような、初々しいフレッシュな女の子を人選したよ!」
…そんな子が果たしているのか自信はありませんよ?
「で、それって先輩たちと同じ2年生?それとも…」
「気になるよね?」
遠藤先輩がニコッと笑う。
「もうぅ〜同じ2年生だったら、私たちが選ばれない訳ないでしょ?…」
成美…さっきから私『たち』って言ってますけど、貴女と植田先輩は明らかに違うと思いますけどね…;
「うん、今回は2年や3年じゃなくて…新入生である1年生にお願いしようと思っているのよ…」
「よっしゃ!」
彰人くん…何もガッツポーズとることも無いんじゃないか?
しかし、1年生からか。
他のクラスは当然、僕らがいるクラスでも一部を除くと素性を知らない子ばかりだな…
「で、その候補は決まっているんですか?」
涼もちょっと鼻息荒くなってきたか?
「一応ね」
遠藤先輩、自信ありそうだ。
「真帆ちゃん茜ちゃんは今回は省くつもりだけど」
と植田先輩。
「えっ!?何ででぇす?」
涼と彰人、それに僕が同時に声を上げた。
茜はともかくとして、涼も彰人も学年1の美少女、真帆を期待していたのは無理もないよな…
「瑞穂にもお願いされたんだけど断ったのよ…何たって演劇部の新作があんなことになったから、一から練りなおししなくちゃいけないから…」
「瑠璃ぃ、それって私がいけないみたいじゃない…」
まあまあ成美;…内輪揉めはその辺で…
「まあ、あっちの話はおいといてだね…同じクラスの子ならよく知ってるはず」
遠藤先輩が説明する。
「一段一段登っていく…その真帆ちゃんとやらを起用すると、成美みたいなことにもなる」
…はい、僕は以前から深い仲ですが。
「井の中の蛙じゃいけないのよ…もっと広い目で見ないとね」
確かに、もっともらしい意見だと思います。
「まあ、真帆ちゃん、かなりの逸材だから後ろ髪惹かれるんだけどね」