海で・・ 442
「先輩がですかぁ?〜」
確かに、ふくよかな胸からトクトクとした鼓動が伝わってくる…
「ふふっ…鈴木くんとこうしたかったんだよね…」
「せ、先輩…?」
「本当の事言うと、藤堂のことなんてどうでもよかったの…ただ鈴木くんを挑発できれば…それでよかったの…」
板野先輩の瞳が潤む。
「先輩…?」
「私の一目惚れ…昨日、鈴木くんが見学に来てくれたときから、ずっと気になってたの」
…だからあんな積極的に。
でも、今の先輩はあのときとはまったく違う。
「私じゃダメ、かな…」
「と、とんでもないです…!」
「それじゃ…誰も来ない所に行こ…」
幸い此処には誰もいなかったけど、部活上がりの奴らがいつ戻って来るか分からないもんな…
「いいんですか?…僕なんかで…」
改めて板野先輩の顔を覗き込む…
ふふっ…
板野先輩は何も答えづ、チュッとキスをしてきた…
向かった先は、各部活の部室があるクラブハウス棟。
「今日は休みだから、ここには確実に誰も来ない」
板野先輩はニコリと微笑む。
『シンクロ部』
ドアにそう書かれたプレートの部屋に入るなり、先輩に抱きつかれ、押し倒されてしまう。
何か、経験豊富な気がする…
「先輩…」
「ね、鈴木くん…いや、名前、教えて…」
「か、一馬…鈴木一馬です…」
「ふぅ〜ん、一馬くんかぁ〜、なんかそっちの方面に強そうな名前だよね。」
「そ、そんなこと言われたの始めてですよぉ;…"馬"が付いているからって、"馬並み"ってことは無いんですけどね;…」
僕の返答など聞いてはいないのか?…
先輩の慣れた手付きでベルトを解かれ、あっという間にチャックを下ろされてしまう…