海で・・ 438
二人の前に仁王立ちするのは、競泳用の小さなパンツ一丁の藤堂先生だった…
その身体はスポーツクラブで見た時よりも更に鍛え上げられ、男の僕から見ても惚れ惚れしてしまう…
「カッコイイっすよね…」
僕は板野先輩の横で小さく呟く…
「見た目がかっこいいから余計に厄介なのよ…」
板野先輩は心配そうに部屋の方を見つめる。
しかし、こんなところで何故あんな格好。
しかも香織さんとみゆきさん…いったい何が始まるのか…
「きゃあああああ!!」
「先生、やめてください!」
2人の悲鳴が上がった…
「ぐぅげぇ!一体これから何が始るんですかぁ!?」
驚きの声を上げる僕の口は、板野先輩の掌に塞がれる。
「大きな声出さないでちゃんと見ていなさいって…あの爽やか青年の化けの皮が剥がれる瞬間なのよぉ…」
板野先輩は僕の耳元に唇をつけ、小さく呟いた…
「い、いやぁ…」
「それ、しまってくださいよ…」
それ…しまう…
まさか、藤堂先生、全裸になったのか!?
香織さんとみゆきさんが、完全に怯えている。
「だ、ダメ…!」
「お願い…します…」
次の瞬間、2人の苦しそうな嗚咽が耳に届く…
な、なにが起こっているんだよ!?…
調度死角になっている僕の位置からして、当然としてエッチな妄想は含む…
とは言え、女の子に不自由する訳の無い藤堂先生に限って、そんな事は有り得ないじゃないかと、その妄想は違っていると願ってしまう…