海で・・ 421
「えっ;ここは大丈夫ですから…」
「ダメよ…大切な場所でしょ。何かあったら大変じゃない…」
銀縁の眼鏡を押えながら新城先生は僕の手を取る。
ゆっくりと僕の両手は左右に開かれてしまう。
僕は恥ずかしさの余り、茹蛸のように全身真っ赤になっていた。
「うん、大丈夫ね。何もないわ」
新城先生は表情変えずに言う。
「だ、だったらもう…」
「もうちょっと待って」
…少しだけでも恥ずかしいんですよ。
「鈴木くんは、今までに、『経験』はあるの?」
…そこまで聞かれるんですか!
「まあ、無くはない…です…」
何と答えていいのか分からず、本当のことを言う…
「そうよね…15歳にしては黒いもの…」
指で摘み上げ、皮をゆっくりと下ろす新城先生…
去年の夏まではあんなに薄淡い色だった僕のモノは、ここ最近すっかり黒く変色していた。
そっか…こんなに変わるんだな。
1年も経たずに成長?したのだろうか、僕は…
ガチャリ
「あ、歩美さん、鈴木くんは…」
ミキさんだった。
「大丈夫よ。目を覚ましたし、怪我もないわ」
「よかった…」
カーテン越しのミキさんの声…
股間を診察されてるこんな姿、見られたくはないよな…
「あの…もういいですか?…」
僕を摘んだままの新城先生に言う…
「一応消毒しておいてあげるは、プールって雑菌がかなりあるから…」