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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 43

「実際に秀人には年上がお似合いだよなぁ〜
甘え上手っていうのぉ?・・アイツと同年代の女の子がイチャついてるところなんて、僕には想像できねーよ・・」

ズッズッズッ・・と、ジュースを飲み干す。
チラリと信藤さんを見る・・・

信藤さんは黙ってジュースを見つめているだけだった。

(言い過ぎたか?・・)
本当のところを言うと、秀人と信藤さんはお似合いのカップルだった。
モデルばりにビジャアルのいい秀人と、誰が見ても美少女の信藤さんは見た目だけでも理想的だった。

それでも僕は2人を讃え、信藤さんを励ますことはできなかった。

「でも、よっかったんじゃないか?別れて。。。
アイツには信藤さんは似合わねーよ・・」

(あれ?)と思った時にはもう遅かった。
『アイツには信藤さんは似合わない』と言うよりも、『信藤さんにはアイツは似合わない』と言うべきだったと、僕は後悔した。

「うーん…そうなのかな…?」
笑顔、なんだけど、その顔にはやはり寂しさが見え隠れする。

「信藤さんには申し訳ないけど、あいつはもう、信藤さんのこと、何も考えてないと思う…」
「そうなのかな…それなら、ちょっと残念だけど…」
俯き加減の中に、少し残る笑顔は、物悲しさを感じてしまう。

「もし戸山くんが、私のことを振ったのなら、諦めをつけようと思ってる。でも、心では諦められても、そうじゃない部分があって…」
この信藤さんの言葉を聞いて、僕は悟った。
秀人と信藤さんの身体の関係は一度や二度ではないということ。
秀人は信藤さんを自分好みの女に調教(?)していたこと。
そう考えると、先日教室で見てしまった信藤さんの自慰シーンも、納得できてしまう…

「…それにしても、戸山くん、どこに行っちゃったんだろう」
「だよなぁ」
「私、心配になって、戸山くんの家に電話したの…」
「(あ、やっぱり)」
由佳里さんの言ってた『女の子』は信藤さんだったか。

「そのとき出たのは戸山くんのお姉さんだったんだけど、お姉さんも行方が分からないみたいで…」
「最近、あまり仲良くないみたいだからな…」
「そうなの…」

あくまで他所から見たまでだが、由佳里さんは出来た人だと思う。
自分が淡い恋愛感情を抱いていたとか、そういうのを抜きにしても、素晴らしい女性だ。
正直、秀人が由佳里さんを煙たがる理由が分からなかった。
まあ、一人っ子が抱く幻想かもしれないけど…

「でもね…私…本当に好きだったの…
戸山くんの性格も…戸山くんの身体も…戸山くんの全てが好きだったの…
鈴木くんに言われなくても…自分が…とっくに愛想尽かされてる…重荷に感じられているのは分かっていた…
それでも…振られたって…認めるのが…怖かっ…た…」

そう言うなり、信藤さんはシャクリ上げながら、大粒の涙を落とした…

その姿を見て、僕は罪悪感に苛まれた…

居てもたってもいられずに、信藤さんを抱きしめた…
「ご、ゴメン…僕じゃダメかな?…僕だったら絶対に、信藤さんに寂しい思いはさせないよ!!」

思い余った僕は、力づくで信藤さんをソファーに押し倒し、その唇を奪っていた…

信藤さんは抵抗せずに、逆に彼女のほうから僕を求めるように抱きついてきた。

「ありがと…鈴木くんの、そういう人に優しいところ、すごく好きだよ…」
目にはまだ涙が溜まっていたが、信藤さんは優しい笑顔だった。

「でも…鈴木くんには、年上の彼女さんがいるでしょ?もし、私と…なったら、その彼女さんに申し訳ないんじゃ…」
僕の脳裏に、ミキさんの顔が浮かぶ。
しかし、ミキさんと信藤さんは、血の繋がった姉妹だ。
「大丈夫…その彼女さんも、信藤さんも、両方幸せに、出来るかもしれないから」

すべてを明かすときが、来たかもしれない。

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