海で・・ 410
「ええー、マジかよぉお」
着替えのときからしきりに気にしてたのは、そのせいか。
…まったく、困った奴だな。
「たぶん逃げただろ?」
「かもしれんな」
涼がニヤリと笑った。
「じゃあね」
「うん、また明日」
涼はプールを後にして帰っていく。
「一馬くん…芝田くんどうしちゃったの?」
何も知らないミキさんが、心配そうに聞いてきた。
「あ、いや…なんか刺激が強すぎたみたいで…」
僕はミキさんの太股を見て、ニンマリと言った…
「なんだそうなの?二人の為にってあえて着た水着が、裏目に出ちゃったのね…」
「へぇ?そうだったの?…」
「ええ…芝田くんと鈴木くんは好きだろうからって、工藤さんが考えてね…」
く、工藤さん…
確かに好きと聞かれれば好きですけど、どうしてそんな考えが浮かんだのでしょう…
「私もこういうの嫌いじゃないから、着てみたんだけどね〜」
そう言いながら、目の前でミキさんは艶かしく足を組ませる。
…いつぞやのスポーツジムで見たミキさんの水着より、眩しい気がした。
「めちゃくちゃ素敵ですよミキさん…誰よりも1番似合ってます…」
嘘では無かった。
やはり青い感じを受ける女子よりも、成熟したミキさんには色気を感じた…
「やだぁ、女子校生相手に勝負はしないってぇ〜」
「マジほんとですよ…僕…ここから立ち上がること…出来ませんから…;」
「ふふ…そんなに興奮してくれたの?嬉しい♪」
ニコッと微笑むミキさん。
…ああ、頭がクラクラしてきそうです。
目の前では、工藤さんら部員がプールの中に入ってトレーニングを開始する。
「大体週一なんですか?」
「週一か、週二かな。そんなには使えないの」