海で・・ 408
彰人と僕は体格的にそんなに変わらないのに、どうして渡された海パンのサイズがこんなにも違うのか。
たまたまなのか。
「大丈夫か?」
「こ、これ、そんなにきついのか?」
「僕はそうでもなかった」
「え、えー…あ、何とか入った」
「2人とも、着替え終わった?」
ドアの向こうから工藤さんの声がした。
「あ、今終わりましたぁ〜!」
制服を慌ててロッカーに突っ込み、ドアを開ける。
うっひょおぃぃ〜♪〜
工藤さんの初めて見る水着姿……どうしよう;めちゃくちゃ素敵だよ〜
「先輩たちがプールサイドで待ってますから、急ぎましょ」
工藤さんの後について、プールへと上がる。
そこには、顧問であるミキさんと、工藤さんと同等、いやそれ以上に水着姿が眩しい先輩方が数人。
「(一馬、すげえな!)」
「(ああ…美人ばっかだ)」
「今日、うちの部に見学に来てくれた1年生の男の子2人だよ。鈴木くんと芝田くん」
「よろしくお願いします!」
ミキさんに紹介されて、彰人と一緒に頭を下げる。
「やっぱりそれ、鈴木くんには小さかったよね…」
ミキさんの言葉に、皆の視線が僕の穿いた競泳用パンツに集まる。
「なんでも普通の水着よりも、伸縮性の高い生地で作られているらしいから、小さくても問題は無いらしいのよ…」
その伸縮性とやらで…やけにモッコリが強調されちゃってんですけど…;
「まあ、これくらいなら問題ないですよ…」
「これくらいがちょうどいいっすよ!」
彰人は笑ってそう言うが、額から汗がジンワリとにじみ出ている。
無理するなよ。
「それならいいけど…もし入部するなら、もう少し考えるから」
ミキさんが言う。
「それじゃあ、練習を始めましょうか」
ミキさんは向き直りそう言った。