海で・・ 407
「勿論っすよ〜姫!お供しますぅ〜」
僕と彰人は揃って頭を深々と垂れた…
更衣室の前まで来ると、工藤さんに海パンを手渡される。
「見学といっても、一応は着替えてね。」
あ、これって恥ずかしいぐらいに小っこい、競泳用ですね…;
「サイズが合ってなかったらごめんね。入部が決まったら新品が来るから!」
工藤さんはそう言って、女子更衣室へと向かった。
「小さいなぁ」
「ってか薄いよなぁ」
彰人と2人で言い合う。
「一馬、お前、泳げるか?」
「いきなり何言うんだお前。泳げなかったらここには来ないよ」
「そぉ、そうだよなあ、当然だよなあ…;」
声を裏返す彰人…
何かをごまかすかのように、服を脱ぎ出した…
何か変じゃないか?…
「お前…まさか?…」
上半身裸になる彰人に向かい、僕は恐る恐る聞いてみる…
「い、いや、なんでもねーよ!?」
「じゃあなぜ今それを聞いたんだ」
「な、なんとなくだよなんとなく」
…怪しい。非常に怪しい。
「おい、彰人、今後に関わって来るんだぞ」
「…悪ぃ一馬、俺を助けてくれ…」
…ああ、やっぱり。
渡された時から、小さいとは思っていたんだよね…
彰人の太股の上で止まった競パン…
彰人にとっては話しをごまかすには、調度いいタイミングだったんじゃないか?…
「今助けてやっから、じっとしてろよ…」
でも何だって僕が、こんなことしなくちゃいけないんでしょうね…;