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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 41

「へぇ〜・・秀人を心配する同級生の女子なんているのかぁ〜?
アイツ、学校の女子からは、"獣"扱いされてっからなー・・・」
自分のことを棚に上げた祐介が、由佳里さんお構ない無しで言う。

まあ確かに、依然露骨に嫌そうな顔をした、木崎さんや岩波さんの表情が浮かびはした。
でもあれは、秀人が信藤さんをフッた訳があったからで・・・

(あ・・・信藤さん・・・)
僕は直感的に、秀人を心配して電話を掛けたのは信藤さんだと思った。

「一馬、どうかしたか?」
「いや、何でもない・・」
僕は祐介の問いを誤魔化した。

祐介は小学生の頃からつるんできたダチではあるが、どこか信用できないところがあった。
僕にとって心底、信頼できる奴は、秀人だけなのだ。


―家に帰る。
親父もお袋も寝てしまったようだ。
『お風呂済ませたらガスの元栓締めてね』
お袋の書置きがダイニングの机に置かれていた。

それにしても。
「信藤さんは、まだ秀人のことが好きみたいだな…」
心配して秀人の家に電話してくるくらいだから、きっとそうなのだろう。
たまに見せる寂しそうな顔は、秀人が冷たくなったからなのか、それとも自分は秀人に捨てられたことを悟ったからなのか…

『真帆は一途な子なんだよ…私達が戸山に関わるなって言っても、彼はそんな人じゃないから、ってあいつのことを信じてるから…』
以前、野上さんが言ったことを思い出した。


洗面所でパンツを下ろすと、先端にテイシュのかすがこびり着いていた。
その乾いた紙偏をピリッと剥がす時の感覚は、男しか絶対に分からないであろう。
僕はそのゾクッと走る悪寒に耐えながら、湯槽に飛び込む。

湯に浸かりながら、いつもの癖で弄る。
森中先生の感触はまだ身体が覚えていた。
潤んだ瞳で悶える先生を思い出し、その姿がミキさんに変わる・・・
手は蟻の戸渡り部分を刺激し、水面を激しく揺らしていく。
ミキさんの淫らな姿が・・・信藤さんの自慰姿に変わる・・・

(『っ・・・』)))))

僕の手は止まった。
射精してもいないのに、みるみるうちに僕のモノは萎えていった。

やはり、信藤さんのことを思うと、心が痛む。
本当のことが分かるのは多少怖いけど、信藤さんの気持ちを確かめたくなった。
分身がすっかり萎えて、元に戻ったところで僕は風呂を出た。


―週末。
特に用事もなく、部屋でゴロゴロしていた。
親父とお袋は一緒に買い物に行ってしまったので、一人きりだ。
一応、勉強する『素振り』をしてはいるが、やる気があるかは…

ピンポーン

インターホンが鳴った。
「…誰だ?」
慌ててベッドから飛び起きる。

玄関へ向かう。
始めは急いでいたが、よく考えると新聞やら怪しい宗教の勧誘は僕一人でいるときのほうが多かった。
その類なら居留守を使おう。

ドアの覗き穴から向こう側を見る。
「えっ」
ドアの前に立っていたのは、信藤さんだったのだ。

「うわぉ!・・マジっすか?」
僕はドアに向かい声を上げていた。

「鈴木くん?信藤です。突然にごめんなさい。」

僕は慌ててドアを開ける。
「ど、どうしたのぉ?」

クス・・
信藤さんは少し赤らんで、俯いた。

(へえ?)
玄関脇に取付られたミラーで、僕はひどく慌てた。
寝癖のついた髪は逆立ち、襟刳りが伸びきったティーシャツは、涎と思われる液体で黒く変色していた。
しかも下は、キャラクターがプリントされた、よれよれの冴えないトランクス1枚の姿だったのだ。

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