海で・・ 392
「すごい…鈴木くん、美貴ちゃんにここまでさせるなんて…」
「いえ…内田先生、僕がされてるような感じなんです」
「でも、美貴ちゃんは、鈴木くんに積極的じゃない」
「ええ…」
内田先生だって、きっとわかったはず。
僕とミキさんの関係は、昨日今日始まったことではないということを…
僕を再び頬ばるミキさんは、まるでそれを内田先生に聞かせるように、ジュボジュボと卑猥な音を立てる。
「ぁ!…ミキさん……そんなにそれっと…ヤバいですって…」
僕は腰を捩り、ミキさんの口技から必死に逃げた。
「なんだか羨ましくなっちゃうな…やっぱり美貴ちゃんは男の子がいいのよね…」
内田先生はミキさんに歩み寄り、涎と僕の先走りで塗れたミキさんの唇を、指先で拭った。
「香織さん…」
ミキさんはそんな内田先生にすがりつき、唇を求める。
また2人のキスを、今度は間近で目にする。
…僕以外で、ミキさんがこんな表情を見せたのは、内田先生とが初めてだ…
「香織さん、心の準備はできてます?」
「うん…」
「心配いらないは…誰もが通る道だもの…」
内田先生の髪を優しく撫でるミキさんは、年上のようだった…
「鈴木くん…こんなことに付き合わせて、ごめんね…」
内田先生は俯きながら、顔を赤らめた。
「もうそんなこと言いっこ無しですよ〜。こんなになっているんですから、付き合うも何もありませんって…;」
「そうそう!男らしく、ドーンといってやりなさい!!」
ミキさんが僕の背中をポンと叩く。
僕は内田先生の身体を床に優しく寝かせ、その後で抱き寄せる。
「内田先生…」
「鈴木くん…」
潤んだ小動物のような瞳が、可愛さを助長させる…
「お互い名前で呼び合いましょうよ」
ミキさんが後ろから言う。