海で・・ 388
…え
一瞬止まる思考回路。
「うわぁあああああああ!!!!!」
思わず叫んでしまう。
しかし、逃げたいと思ってもこの股間の状態では…
それはミキさんと内田先生も同じのようで。
2人、驚きの表情で抱き合って、僕のほうを見ていた…
暫しの沈黙の後、「プッ!!」っと吹き出したのはミキさんだった。
それに続き、僕も「ははは…」と声に出してしまう…
「えっ?何なの?二人ともなんで笑っているのよ?」
一人オロオロとする内田先生は、普段と違ってとても可愛く見えてしまう…
ミキさんが笑顔で、僕に中に入ってくるように促してくる。
「…いいんですか?」
「ばれちゃったら仕方ないじゃない…それに、一馬くんならいいよ」
ミキさんにそう言われ、中に入る…
埃は被っているが、入ってみると意外と中は広かった。
「君…2組の鈴木くんだよね…美貴ちゃんとはいったい…」
内田先生が、戸惑いと疑問の目で僕を見る。
「多分…僕が今…一番大切に思っている人です…」
僕は内田先生の目を見て、しっかりと答えた…
内田先生は驚いたように眼を見開き、次にその表情を緩めた。
「それゃあ鈴木くんがそう思うのも仕方ないはね…美貴ちゃんは凄くチャーミングですものね…君位の男子が憧れるのも分かるは…」
そんな内田先生の言葉に、ミキさんが少し照れて
「鈴木く…いえ、一馬くんは、その、私の、彼…です」
俯いて、しおらしい表情のミキさん。
こんな姿は初めて見た。
「ふふ、美貴ちゃんもやることやってんだ〜」
内田先生が徐々に普段の顔に戻りつつある。
「そう考えると、悪いことしちゃった、よね?」
「い、いえ、全然…!」