海で・・ 387
内田先生の髪を掻きむしりながらも、それをせがんでいるかのようにも見える…
こういう行為…初めてじゃないんだ…
2人の慣れた動作により、それは僕にでも分かった。
内田先生とミキさんは、今日初めてビアンの関係を持つのではなく、多分2、3回は求め合った仲なのだろう…
…まさか、ライバルがこんなところに
というか、ライバルなんて言っていいものなのか?
いくら男と女という違いがあるとはいえ、内田先生に勝てる気など…
「…っ、ぁ!」
内田先生の声が外にまで聞こえた。
ミキさんが反撃に出たのか。
ガタン
…おっと、隣にあったドラム缶にぶつかって音が出てしまった…
「だ、誰かいるはぁ!」
怯えたようなミキさんの声が僕の耳に届いた。
しまった!…
ここで"ニャ〜ア"とでも猫真似すればよかったのだろうか?…
それでもそんな余裕が僕にある筈もなかった。
ただドラム缶の横に蹲り、背中を丸め小さくなることしか出来なかった。
「ど、どうしましょう…」
「き、きっと気のせいよ…」
ミキさんだけじゃなく、内田先生も怯えているようだ。
「香織さん…」
「美貴ちゃん…」
怯えていた声は再び、甘いものに変わる…
…さっきのようなことがあると、顔を上げづらくなってしまう…
それでもこの甘い誘惑に、健康満点で精力が余りに余っている僕が勝てる訳などある訳が無かった。
現にこんな事態に陥ったのにも関わらず、僕の分身はギンギンに勃起したままで、制服のズボンに先走りの染みが丸ぁるく出来ていたのだ。
再び恐る恐る、窓ガラスに顔を寄せる。
「うぁ!!」
目の前にミキさんと内田先生の顔があった…