海で・・ 379
あかりさんが母親代わりになってくれたら、僕も嬉しいし、父さんにとってもいいだろう。
昨日のお風呂みたいなことが多々あったら困るけど、あれはあれで。
まさか籍は入れないだろうが、あかりさんお仕事はどうするのだろう。
今は掃除も洗濯もやってくれてるみたいだけど…
「お姉ちゃんのこと、よろしくね」
「ええ」
「2人だけのときは、私のこと、みゆき、って呼んでくれればいいから」
「はい」
それはそれで困ったもんだけど…まあここは流すとしよう…;
去っていく先生の背中を見送っていると、突然羽交い締めにされた!
「な、何ん何だぁ!」
「一馬お前、童貞じゃなかったのかよ!」
聞き覚えのあるデカイ声……
彰人だった…
「なんだよ、聞いてたのかよ」
「お前が浅倉先生に呼び出されたのが気になってな」
…まったく。
「で、相手は誰だったんだよ」
「そ、そんなの言えねーよ!」
「…だよな…じゃあ、どんな感じだったんだ?その…初体験のときってさ」
「いや、別に普通だよ…」
「お前ぇぇ!普通ってことは無いだろ?俺が童貞だと思ってバカにしてんだろ?」
「そ、そんなんじゃ無いよ…」
「彰人、一馬はこんな所で話せる訳ないよ…」
涼、君までいたのかよ…;
「…2人とも、気にしすぎだよ」
「いや、お前だって…」
「彰人、落ち着けって」
涼が彰人をなだめる。
「2人が思うほどロマンチックじゃないさ。初めてなんてあっという間だったよ」
これは嘘ではなく、本当のことだ。