海で・・ 319
…恥ずかし過ぎて逃げ出したくなる。
「ふふふ、元気でいいじゃない。そういう男の子、私は好きだよ」
咲乃さん…
嬉しいけど、やっぱり恥ずかしいです…
「…ここまでしちゃったけど」
「…この先どうしようかしら」
一斉に戸惑いだした。
…皆さん結構酔ってきたみたいだ。
「私たちも脱いじゃう?」
脱ぐって…これ以上脱いだら全裸になっちゃうじゃないですか…
「それもそうね…一馬くん一人恥ずかしい思いさせておくのも、気が引けるものね…」
それならパンツを上げてさえくれれば、それでいいんですけど…
「よしぃ!そうと決まったら…」
ミ、ミキさ〜ん!…;
ミキさんは僕のパンツを踝まで下ろす。
「あ、あの、いや、脱ぐんなら、ここじゃなくて、その、泊まる部屋に行きません?」
…周りの気に圧されてそう言ってしまう。
僕ら以外誰もいないとはいえ、ガラス張りの空間で外から見えやすいだけにね…
「あら、一馬くん、乗り気になったのね?」
…そういうわけじゃないですけど、梨花さん。
…今夜泊まるんだったら、そのスペースとか気になるし。
「それもそうね…じゃあ上行きましょ!…」
自分たちの脱いだ服を拾い上げ、さっさと行ってしまう皆…
えっ?…僕の服はぁ?
戸口で真帆が、僕のパンツをクルクルと回して見せた…
あいつ!…絶対に泣かせてやる!
僕は硬い自身を両手で押さえ、慌てて駆け出す…
…上の階へ。
梨花さんはここを店舗兼住宅にするつもりなのか、普通の部屋のほかにも押入れや浴室、トイレなどもある。
「じゃあ、こっちね」
梨花さんは僕らをその中の部屋のひとつに招く。
僕は恥ずかしさのあまり急ぎ気味で駆け込む。
…まだ真帆はニヤニヤ笑ってやがる…やるとなったら、真帆からだな…