海で・・ 313
「なんだ〜、もうそんな展開かぁ〜」
…あぁ、咲乃さんってのが、今まで僕らが食べた料理を作った人なんだな。
「もうお酒の時間か〜、梨花はホントにお酒好きだよね〜」
「呑まないとやってられないじゃんっ」
黒髪を肩くらいまで伸ばした女の人…咲乃さんがこちらにやってくる。
「!!!!!!」
咲乃さんの姿を見て、真帆が驚きの表情。何があった?
…いや待て。咲乃さん、誰かに似てるな。
「私の親友にして当店シェフの野上咲乃」
「よろしくね」
野上…?って、えっ
呆気に取られる僕に、真帆が顔を近づけ、耳元で囁いた。
「初音が言ってたんだ…親と喧嘩して家出して帰ってこないお姉さんがいるって…」
えっ?…
ってことは…咲乃さんって、初音の姉さんなのか?…
確かに…この豊か過ぎる大きな胸は…
突如として僕の頭の中には、初音のあのホルスタイン並の巨乳が一杯に広がり…その煩悩は、即座に股間に下りてきた…
やべっ…;
股間の反応を悟られないよう…何とかしてこの状態を収めようとする。
真帆は動揺を隠しきれない様子。
対する咲乃さんも、僕らの顔を見て少し戸惑っているようだ。
「ええと、もしかして、知ってた、とか?」
梨花さんが場を収めようと話しかけた。
「いえ、なんと言うか、知ってた、というよりも…」
何と言えばいいのだろうか。
「妹の…友達だよね?…」
僕と真帆のオドオドとした前で、口を開いたのは咲乃さんだった。
「やっぱりぃ初音のぉ〜?!似てると思いましたぁ〜」
はい…豊かなオッパイもそっくりですよ…;
「初音から、話しは聞いているのよ。」
「初音とは連絡ぅ取っているぅんですかぁ?」
「ええ、あの子だけとはメールでやり取りしてて、何でも報告してくれてるはぁ。」
ふぇ?…何でもって…まさか僕と寝たことは言ってないよな?…;
…なんて、真帆がいる前では聞けない。
「一馬くん、だよね?」
「はい?」
「初音の好きな男の子って、君の事なのかな〜?」
「そ、そんなことはないで…う〜ん…」
僕に代わって否定しようとした真帆が、何か思い悩みだす。