海で・・ 4
お互い、私服に着替える。
ミキさんの私服姿は、水着のときほどエロさは感じないが、ファッションセンスもよくて非常に魅力的だった。
これから夕食だ。
どうやら、アヤさん―本名は小島彩というそうだ―がホテル内のレストランを予約しているらしい。
そのレストランに行くと、秀人とアヤさんが先に来ていた。
美「おまたせ」
彩「そっちもお楽しみだったみたいね」
美「もちろん」
秀人のほうはというと、表情が崩れっぱなしで
「やっぱ年上の女の人は最高だぜ」
などと言う。
こいつは何回やったんだろうか。
それはさておき。
食事のほうはというと、食べ放題のバイキング形式で、その食材たるや豪華。
生まれて初めて食べるものだって、あんなに…
見るだけで、想像するだけで涎が垂れそうになった。
女の人をナンパして、エッチなことをすることが最大の目的だったが、食欲だっておろそかにしてはいけなかったんだ。
僕と秀人は時間を忘れて食べまくった。
それを見て、ミキさんとアヤさんはニコニコと笑っていた。
さすがに食べ過ぎておなかいっぱいだ…
と思いきや、秀人はまたおかわりに行ってしまった。
彩「よく食べるわね〜」
「普段から大食いなんです、あいつ」
そんなときに、ふと思った。
こんな豪華なホテルで、しかも高級そうなレストランを予約できるのだから、アヤさんも只者ではないだろうと。
実際、ミキさんはお嬢様だと本人から聞いた。
彩「一馬くん、楽しめた?」
「ええ、それはもう」
彩「よかった、それなら私もうれしいな」
安堵の表情を浮かべるアヤさん。
それはアヤさんが予約してくださったのだから…と言おうとしたら
美「このホテルはね、彩のお父さんが経営してるのよ」
彩「あー、それ言っちゃうかー」
…なん…だと…?
―聞くと、アヤさんのお父さんは全国にいくつかある高級ホテルを経営するグループ企業の社長だという。
で、やり返しとばかりにアヤさんはミキさんの家のほうも教えてくれた。
ミキさんのお父さんもまた、有名な企業の社長だと言う。
それで、お父さん同士が知り合いで、二人は仲良くなったのだとか。
僕は困惑した。
ものすごい人をナンパしてしまった…
美「あら一馬くん、どうかした?」
彩「…私たちのお家のことを話したのがまずかったかな?」
「いや、お二人ともすごい…お嬢様で、僕みたいな…」
美「だからいいのよ」
彩「家みたいな家庭に生まれるのも、結構大変なんだよ」
「もっとすごい、お金持ちみたいな男の人と…」
美「確かに知り合うことはできるし、向こうも言い寄っては来るんだけど」
彩「どうもああいうのはタイプじゃないって言うか」
美「だから、一馬くんや秀人くんみたいな素朴な男の子って、惹かれるのよ」
彩「お付き合いしちゃおうか?」
「ええっ!?そんな…」
美「私達、これでも本気だからね?」
二人から、すごいことを聞いてしまった。
秀人はまだ戻ってこない…あいつには、秘密にしたほうがいいかな…?
彩「秀人が帰ってこないか待ってるの?1人じゃ怖いの?」
アヤさんはニヤリと頬を上げた。
(をぇ!!)
一馬はギクリと身体を弾ませた。
アヤさんかミキさんかも分からぬ足が一馬の股間へと伸ばされ、その指先がゆっくりとラウンドし始めた。