海で・・ 290
まあまだ、あかりさんが僕にプレゼントしてくれたパンツよりかはマシには思えるけど、それでもこれもかなりエロい…
こういうのって…浅黒く日に焼けて、腹筋がくっきり割れた男の人に似合うんじゃないか?…
などと文句を言いながら、仕方なくその小さなパンツを尻に引き上げる…
肌にぴったりフィットする感覚。
股間はもちろん、腰回り全体が締め付けられる感じがした。
それは、父さんのを穿いたとき以上に感じた。
…さすが、ブランド物は素材が違う。
その上からジーンズを穿き、服を着て脱衣所を出る。
ほんの少し違和感はあるけど、不快ではない。
「ミキさん、お待たせ」
「ありがと、私もすぐ済ませるから」
僕の目の前で腕を上げ、Tシャツを脱ぎながら浴室に向かうミキさん…
スポーティーなものとはいえ、ブラの背中を見た僕は"ピクリ"と反応してしまう。
時間もないのに、参ったな…;
昨晩あれほど出しておきながら、自分の元気の良さに半ば呆れながらも、シャワーが叩きつける音が聞こえてくると、僕は足を忍ばせ、そっと脱衣所の扉を開いた。
カゴの中に無造作に置かれたTシャツと下着。
黒のスポーティーなものだが、ミキさんが身につけているもの…ということだけで、僕の股間は刺激されていた。
浴室の中から、シャワーの音とともに、ミキさんの鼻歌が聞こえた。
ガラス越しに映るミキさんの身体のシルエットに、思わず見入ってしまう。
こんな痴漢まがいのことをなくとも、声を掛けさえすればミキさんは喜んで扉を開けてくれると思う…
『時間が無いのに仕方ないはねぇー』と、呆れながらも僕の昂りを鎮めてくれることも充分に考えられた…
それでも僕は、どういう訳だかそれが出来なかった。
心臓の以上な高鳴りを感じながら、黒いショーツを鼻に宛てがった…