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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 212

…紀美子さんか…
そういえば、あれ以来会ってないよな…
結局ミキさんと真帆に本当のことを伝えたときも、紀美子さんは不在だったしな…

…ミキさんと真帆のお姉さん、梨花さんも、紀美子さんに泣きながら謝ったそうだ…
紀美子さんはそれを笑って許してくれたそうだ。
それだけ懐の広い人なんだ。

…そういや父さんは、中原家と信藤家の複雑な事情を知らないんだよな。

父さんだって紀美子さんと深い関係にあった訳だから、聞けば他人事でもないんじゃないのかな?
まあ、優しい父さんのことだから、知ったら知ったで放っておける訳もないし、それで焼け木杭に火が付くなんてことになり兼ねないよな…

僕は運転をする父さんの顔を盗み見る。
行く末の自分を見るかのような何処か僕に似た顔は、43歳にしてはまだまだイケていた。

―母さんを病院まで迎えに行き、家まで帰ってきた。
母さんは軽く夕飯を食べるらしいので、僕は先に風呂に入ることになった。

家に帰る直前、携帯にメールが届いていた。
送り主は『中原梨花』
…あの時、帰り際にお互いのアドレス交換をしていたのだ。

『お店が出来たよ!もうすぐオープンできるから、一度来て欲しいな♪』
一緒に添付された画像には、その店の前でニコリと微笑む梨花さんがいた。

洗面所で画面を見つめながらニヤける後ろから、父さんに覗き込まれる。
「おっ、綺麗な人じゃないか。」
「あっ、ちょっとぉ勝手に見ないでよぉ〜!」
「ははは!早くその人にでも、童貞おさらばしてもらえ!」
何も知らない父さんはそそくさと服を脱ぎ初め、あのHなパンツも脱ぎ去ると、浴室へと入っていく。

何だよ…一緒に入るのかよ…
僕は渋々といった表情で、服を脱いだ。


風呂を出た後、自室に篭って梨花さんのメールを眺める。
「梨花さんもオシャレだよなぁ…」
画像の後ろに見える建物は、日本的な『喫茶店』ではなくヨーロッパ風の『カフェ』という感じだった。

『友達のご両親が高齢で、体力的な限界で店を閉める予定だったのを、私がお願いして引き継がせてもらったの♪』
梨花さん、なかなかの行動力である。
『外観と内装は大幅に変えて、オシャレにしてみたんだ』
…そういうところを考えると、梨花さんとミキさんは姉妹だなぁ、やっぱり。

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