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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 210

父さんは着替えて、テーブルに置いた車のキーを手に取る。
「一馬、何が食べたい気分だ?」
「別に何でもいいかな」
「まあ、あまり遠くには行けないけどな」
「外食なんてめったに行けないじゃんか」
「そうだな」
玄関を出る。
行き先は父さんに任せておいて、僕は車の助手席に座った。

流れるネオンを見つめながら、僕はぽつりと呟く…
「父さんは…浮気とかするの?…」
「うぉお、おい!!何だよ突然!」
父さんは確かに動揺していた。
「別に攻めるつもりじゃないよ…母さんはあんな身体だし、父さんはどうしてるのかな?って思ってさ…」
「おい、おい。一馬もそんなことが気になる歳になったかぁ!」
ハンドルを握る逆の手で、僕は首根っ子を掴まれる。

「い、いや、ちょっと…前見て安全運転してよ」
「はは、これでも俺は25年間無事故無違反なんだぞ?」
それでもいきなりは危ないって…

「うむ、で、さっきの答えだが」
父さんは手をハンドルに戻し真面目に話す。
「浮気と思うかどうかはお前次第だけど、多少はそういう勇気も必要なんじゃないかと俺は思うな」
「勇気…」
「俺くらいの歳になると、若い女の子に気に入られるのが嬉しくなるんだよ」

「それってパンツをプレゼントしてくれた…職場の女の子に対して?…」
「あ、ああ…まあそんなところだ…」
「その人と…セックスはしてるの?」
「ははは、お前ぐらいの歳の時は、俺もそればっかしか考えてなかったけどな…」
「なんだよ…答えになってないじゃん…」
「例えそうだとしても…父さんが母さんを好きだと思う気持ちに変わりはないぜ…」
「母さんとその人と…二人を愛せるってこと?…」
「ああ…まだお前には分からないことだとは思うけどな…」

父さんが車を駐車場に止めた。
着いたのは洒落たレストランでも、ありふれた感じのファミレスでもない、普通の定食屋だった。
「へぇ…」
「不満だったか?」
「いや、こういうの初めてだからさ」
「会社の近くにもこういう店があってな。安くて美味いんだよ」

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