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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 205

エンジンを吹かし敷地内から出る時に、調度のタイミングで藤堂さんに出くわす。
『じゃあな!』とでも言うかのように、敬礼みたいに手を挙げる藤堂さんの前で、ミキさんはゆっくりと車を停車した。
「歩きなら、載っていく?」
「いいのか?…」
藤堂さんは、僕の顔をのぞき見る…
僕は何も言わずに、頭を縦に振る。
「それじゃ…遠慮なく。」
乗り込んできた藤堂さんの髪は、まだ濡れていた。
それはこれを狙って急いで出て来たのだと…僕には分かった。

「この近くですよね?」
「ああ、悪いね」
藤堂さんを乗せ、車は再び発進する。

…車内で、これといった会話もなく、5分ほど走った辺りで着いたのか藤堂さんは降りていった。
笑顔で『ありがとう』と手を振る彼に、ミキさんは少しはにかんで会釈した。

…何赤い顔してんだよ…
いつまでも見送るミキさんを見て、僕は面白くは無かった。
どう見たって、ミキさんには僕なんかより藤堂さんの方がお似合いだった。
メンズ雑誌に出ているモデル並の容姿には、逆立ちしたって敵いそうも無いし、増してはあの巨根を見た後では、僕でなくとも男だったら誰だって、劣等感から生まれくるジェラシーを感じ無い訳も無いと思えた。


…明らかに不機嫌な顔でもしていたのか、ミキさんは僕を見て少し視線を逸らした。
「…ごめんね」
「あ、いえ」
いや、面白くないとはいってもミキさんが僕に対してそうであるように、僕もミキさんを束縛してはいけないんだと言い聞かせる。

「カッコいい人ですねぇ」
「まあ、ね…すごく優しくて誰からでもモテる人なんだけどね…」
あれ?さっきの態度と言ってることが違わないですか…?

…まあ、正直に話してくれることは嬉しいですけどね…
「ミキさんも、好きだったんですよね?…」
僕は勇気を出して核心に迫る…

「ふふ…妬いているの?」
「はい、妬いてます。僕の大好きなミキさんが好きになった人が、あんなにもカッコイイ男だとは、知りませんでしたからね…」
「ふふふ…藤堂君がカッコ悪かったら許せたの?」
「そ、そんなこともないと思いますが……もぉお~はぐらかさないで下さいよぉ!」

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