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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 21

「もちろんです。ミキさんは僕にとって、一番大切な人ですから」
それを聞いたアヤさんは、優しい笑顔を浮かべる。

彩「美貴のこと、よろしくね」
「ええ」

朝食をいただいて、アヤさんの車で学校に向かう。
彩「近いうちに、美貴と妹さんが会うかもしれないね」
「そうですね」
彩「できればそのときも一馬くんが一緒のほうがいいかも」
「かもしれませんね」
彩「一馬くんがいれば、きっと二人も…いや、二人のお母さんも含めて、みんなを幸せにできると思うよ」
「できればいいですね…」
彩「そのために頑張るのよ。それができるのは一馬くんしかいないんだから」
「はい」

そんなやり取りをしているうちに学校に着いた。
「本当にありがとうございました」
彩「じゃあ、頑張ってね!」

そう言いながら敬礼のごとく2本の指を上げるアヤさんの手は、突然に僕のうなじを掴み、強引に引き寄せられた。

(・・ぐぅ@@うぁ!・・)

僕の身体は一瞬にして、硬直した。
それでも・・合わせられた唇は、柔らかかった。

彩「ふふっ・・これは美貴には内緒よ。それじゃ、またねぇ〜」

(アヤさん・・かっこいいじゃねーか・・)
僕は唇に着けられた真っ赤な口紅を拭うことも忘れ、爆音を轟かす真っ赤なBMWの尻を見送った。

「…アヤさん、派手にやったなぁ」
さすがに口紅がベットリついたままでは周りの目が怖いので、水道で顔を洗うことに。

そこに
「おはよー、鈴木くん」
「ああ、おはよう」
声をかけてきたのは木崎さんだった。

「あれから、何かあった?」
「いろいろありすぎて大変だったよ」
僕は昨日の帰りからの出来事を木崎さんに話した。

「…そりゃまた、すごいことに」
「まったくです」
そういえば、木崎さんもあの後、ミキさんの身辺について『調べる』って言ってたが。
「木崎さんは、何か判ったことあるの?」
「うーん…全然。力になれなくてごめんね」
「いやいや」
もともと関係ないところを引っ張り出してきてこっちが申し訳ないくらいだ。

「…にしても、鈴木くんの彼女さんと、もう一人さらにお姉さんがいたんだ」
「うん」
木崎さんが、窓際に座る信藤さんのほうを見る。
「真帆ちゃんは、何も知らないんだろうね」
「たぶんね」

信藤さんの表情は、相変わらず寂しげだった。

「真帆ちゃんの力になれるのは、やっぱ鈴木くんしかいないよ・・」
木崎さんは信藤さんを見つめ、ぼそりと言った。

「知らずにクラスメートの真帆ちゃんのお姉さんと付き合ったのだって、運命感じちゃうな・・それにもう1人のお姉さんに誘惑されるだなんて、鈴木くんは真帆ちゃんの家族に縁が強いのよ。」

「そう言われても僕、どうしたらいいのか分かんねーよ・・」
「なに情けないこと言ってんのよ!童貞捨てて立派な男になったんでしょ!」
木崎さんはバシリ!と僕の背を叩いた。
「そ、そんなこと僕、言ったかぁ?!!」
「言わなくても分かるはよ。校門の前であんなディープキス見せられたんじゃね!」
(げっ@@見られていたのか・・)
木崎さんは笑いながら、廊下を歩いて行った。
あれは彼女のミキさんではなく、アヤさんだって言いそびれた僕は、遠くに行く木崎さんの形のいい尻をじっと見つめることしかできなかった。

―授業後。
荷物をまとめて鞄に入れて、さあ帰ろうとしたそのとき
「鈴木くん、ちょっといい?」
呼び止められた。

呼び止めたのは、クラス委員長でもある岩波さん。
…そういえば、彼女も信藤さんと仲のいい一人だ。
「いいけど…何か?」
「茜ちゃんから聞いたんだけど…」
茜ちゃん―木崎さんか。

「ごめんごめん、ヒカルが気になるからってしつこく言われたからさ、鈴木くんに了解とる前に話しちゃったよ」
後ろから木崎さんが頭をポリポリ掻きながらやってきた。
「真帆ちゃんのことだもの、放っておけないじゃない」
…信藤さんの話か。
委員長であり、大親友でもある岩波さんのことだから、やはり信藤さんのことは気になったのだろう。

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