海で・・ 199
画面の向こうでは、ミキさんが鼻歌とともに身体を泡立てている…
…ミキさん…
僕はどうしていいか分からずに、なすがままになるしかなかった。
「さあ、彼女さんが出てくる前に終わらせなくちゃね〜」
坂上さんの手が僕のベルトを緩め、斉藤さんの手でチェックが下ろされる。
「ふふ、こっちは準備万端かしらね」
「あっ、すごい元気…」
僕の分身は、この状況で興奮し始めていた。
「あっ、すごい…何コレ、元カレのよりもおっきいかも…」
「リコ、比べるのは止そうよ…」
「…彼氏ができたことがない麻友ちゃんには刺激が強過ぎたかな?」
「うっ…」
「ゴメンゴメン!言い過ぎたよね。でも毎日画面越しに男の人の見ているだけなんて虚しくない?」
「リコ、だからこの子を連れて来てくれたことには感謝してるって!」
「それじゃ、麻友ちゃんの初ナマの為に、ご開帳〜♪」
「ちょっ、ちょっと!…うぁ!」
僕のボクサーパンツの前立ては、斉藤さんの手により意図も容易く捲り下ろされてしまう…
坂上さんの目の前で、僕の分身が姿を現す。
「うわっぁあ…」
「あっ…」
僕もすごく恥ずかしいのだが、目の前の坂上さんもまた、顔を真っ赤にしていた。
「わ〜すご〜い!!立派だね〜!!」
斉藤さんだけは、さっきの恥じらいが嘘のようにはしゃいでいる。
“立派”などと言われても、僕のはそれ程でも無いのは、自分が一番よく分かっていた。
斉藤さんはお世辞を言っているのか、それとも元カレさんのは、よっぽどの短小だったのかの、どちらかだろう…
数々並ぶモニター画面に、プールサイドで準備運動する、藤堂とかいうあの男が映り込んでいた。
その引き締まった身体に見合った、競泳用パンツをモッコリとさせている膨らみは、彼の分身こそが“立派”に値するのだと顕著に物語っていた…