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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 186

シ一ンと静まり返ったプールには、ミキさんが言っていた通り、誰もいなかった。
高天井はガラス張りで、気持ちいい日差しが明るく降り注ぎ、水面をキラキラと輝かせている…
僕はアヤさんと見た、あの海を思い出す…
そして…アヤさんが頬にくれた、柔らかいキスの感触が蘇る…
あの時…僕が求めたら、アヤさんとちゃんとしたキスができたよな…
そんな思いが頭をもたげ、僕は惜しいことをしたような気分を、今更ながらに味わったりした…


「男の子は着替えが早くていいなぁ」
物思いに耽っているのもつかの間、ミキさんがやってきた。
「そうでもないですよ」
「本当に?」

黒の競泳水着。
ビキニのミキさんも素敵だが、ボディラインがくっきりと映るこの姿もまたそそられるものがある。
下半身の部分はきわどいカットのハイレグタイプだった。

それはもしかしたら、全裸よりもエロチックかもしれなかった。
「素敵な水着ですね。」
僕は目のやり場に困りながらも、ハイレグ部分を見つめながら言った。

「よかった~一馬くんに気にいって貰おうと、三ヶ月にオ―ダ―したんだぁ〜」
…そんな前から…僕の為に?…

「ミキさん!」
僕はアヤさんとのキスを思い浮かべていたことが、余りに申し訳なく…
ミキさんの身体に抱き着いてしまった…

「ちょっとぉ…いくら誰もいないからって…」
ミキさんは少し困った顔をする。
「ごめん、でも…」
「一馬くんの素直な気持ちは嬉しいよ。ここには誰も来ないし…でも、まずは泳がない?」
「そうだね…」
二人でプールの中に入り、思い思いに泳ぐことにした。

水面を滑るように泳ぐミキさんは人形のようだった。
それに比べ僕は、泳げない訳では無いが、決して美しいフォームとはいえなかった。

「ふふ、豪快だね。」
やたら水飛沫を上げる僕の泳ぎを見て、ミキさんはクスリと笑う。

「泳ぐの嫌いじゃないんだけど…真面目に習ったことなくて…」
「授業で教わらなっかの?」
「あ、ダサイ水着履きたくねーなって、秀人とサボってばかりで…」
僕はあの時のツケが、こんなところに回ってくるとは思ってもいなかった。

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