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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 144

『こちらこそだよ。楽しい1日を過ごそうな(^^)』
僕も直ぐ様に返信をかえした。

「一馬ぁーごはぁーん!」
下から父さんに呼ばれ、僕はボクサーブリーフとスキンの箱を枕の下に慌てて隠した。

「父さん早かったんだね。」
ダイニングの扉を開けると、テーブルいっぱいに御馳走が並んでいた。
「一馬、おめでとう!」
「本当によくがんばったは…」
父さん、母さんの笑顔は、いつもにも増して優しかった。

決して優等生とはいえない僕が、そこそこの進学校に合格できたのだ。
父さんも母さんも、物凄く喜んでくれた。
「父さん、母さん、ありがとう」
「俺たちは何もしてないぞ。一馬が頑張ったからじゃないか」
「そうよ。一馬が努力したから合格できたのよ」
…努力、頑張った…
目まぐるしく変わったこの半年の間、僕が努力して、頑張ってきたのは、何も勉強だけではない、と思った。

始めは興味本意の好奇心でしかなかったセックスだって、ミキさんと真帆のお陰で、少しだけ深いところまで知ることが出来た。
それは半年前よりはもちろん、3ヶ月前よりだって今の方が確実に上手くなったと思う。
もしそういう試験があったとしたなら、僕はそっちの方でも合格できたかもしれなかった。

ただ僕は、まだ始めての子を抱いたことが無いということだけが、落ち度のようにも思えた。
この先、例えミキさんと真帆以外の女の人を抱くことがあっても、その相手が処女だという保証はないのだ。

『男を上げるチャンスよ』
アヤさんの言葉が甦る。

僕は御馳走の並ぶテーブルの下で、股間をギュッと握りしめた。

ご馳走はしっかりと平らげた。
いつも以上に母さんが丹精込めて作ったもの、とても美味しかった。
いつもはしないおかわりも3杯もしてしまった。

夕食の後、風呂も済ますと、満腹感からか、すぐに寝てしまった。

―翌朝…
目覚ましをセットし忘れたが、いつもと同じくらいの時間に目覚めた。
今日は木崎さんとのデート?だ。
昨日用意したトランクス含め、しっかりとした格好をしないといけない。

脇を上げクンクンと嗅いでみると、寝汗の臭いが鼻を突き、慌ててシャワーを浴びたりもした。
いつもより丁寧に歯を磨き、いつもより気を使い髭を剃った。
洗面所で親父のコロンをスプレーすると、その親父臭さに驚き、また浴室に飛び込んだりもした。

僕はまるで、始めて女の子とデートするチェリーボーイみたいだった。
ミキさんや真帆との時にはこんなに気を使ったこともないのに、やはり僕の中で『処女』は偉大だったんだ。

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