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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 15

「ミ、ミキさん!?・・」
僕は訳も分からぬ状況下で、一筋の光りに救われたかのような気持ちになった。
そんな中でも、あらぬ誤解を受けてはいけないと、去り気なく今だ昂った股間部分を鞄で隠した。

「一馬くん早く載って!訳は中で話すは!!」
ミキさんの金切り声が住宅街に響き渡る。
その声に反応してか、飼犬たちが遠吠えを始めた。

僕はこのただならぬ状況を、どこか客観的に見ている自分を感じながらも、それでもその声に促されるように、慌てて後部座席に載り込んだ。

車が走り出す。
彩「生きてるってのはホントだったのね…」
「ミキさんのお姉さん、ですか…」
美「…存在すら知らなかったんだけどね」

彩「名前は中原梨花さん。広隆さんの『正妻』で、出産後に亡くなった麗子さんの娘ね」
「あの人、『殺した』とかって言ってましたけど…」
彩「あの人もいろいろと勘違いしてることがあるわね」
「『愛人と結託して』ってのは?」
彩「美貴のお母さんとは違う、別の人よ。何しろ、広隆さんの愛人は十数人いたらしいから…」
「えっ…」

アヤさんと僕の会話をずっと聞いていたミキさん。
「ミキさん…」
美「一馬くん…信じて欲しい。お父さんは絶対、悪い人じゃないから…」
「ええ…」
ミキさんは必死で、泣くのを堪えているように見えた。

僕は後部座席から手を伸ばし、ミキさんの肩をそっと撫でた。
その手に頬を寄せ、握り締めてくるミキさんの手は、小さく震えていた。

「僕がついているから・・」
励ますつもりのその声は、涙交じりに掠れていた。

美「ごめんなさい・・一馬くんにまで、嫌な思いさせてしまったは・・」
「そんなことない・・嫌な思いなんてしてないよ・・」

確かに、嫌な思いはしていないと思えた。
あの時、広隆さんが引き返して来なかったら、自分は確実にミキさんのお姉さんに犯されていたと思えたし、その後だって、広隆さんが引き離してくれなかったら、自分は我慢しきれずに、パンツの中に射精していただろうと思えた。

僕はまじまじと自分の股間を見下ろした。
あれはスリリングで、冷や汗ものではあったが、『嫌な思い』と言われれば、それは男としては嫌な思いでは決して無く・・・それが返ってミキさんには申し訳ない気分になった。
しばらくして、車が止まった。
彩「パパとママには言ってあるから、今日はここに泊まって」
アヤさんの実家だった。

彩「広隆さんたちは、うちの執事が後を追ってるみたいだから…」
美「ごめんね、彩」
彩「そんな顔しないでよ。今までずっと、私が美貴に迷惑かけっぱなしだったから」
「アヤさん、ありがとうございます」
彩「いいのよ。一馬くんを巻き込んだのも、私に責任があるんだし」

アヤさんの家の、空いている部屋を使わせてもらうことになった。
彩「朝起こしに来るね。私の車で学校まで送っていくから」
「すいません、いろいろと」
彩「気にしないで。それと」
アヤさんは僕の耳元に顔を近づけて、付け加える。
彩「…美貴を励ましてあげられるのは、一馬くんだけだよ」
アヤさんはそう言って、部屋から出て行った。

今夜一晩、ミキさんと僕は、この部屋で二人きりだ。
今日のことを振り返ると、とてもじゃないけど、今ミキさんを抱くのは気が引ける。
もうこれで寝てしまおうと思ったのだが…

ミキさんは、背後から僕を抱きしめ
美「…一馬くん、ずっと我慢してたんだよね?」

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