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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 14

ズボンの突っ張りも忘れ、ただ眼を見開くことしかできない。

「き、君は・・・?」
自分以上に驚きの表情を浮かべる広隆さんが、絞り出すような声を上げた。

「私?・・私は中原麗子の娘・・そう、貴方が邪魔になった妻の子供よ・・」

「な、亡くなったんじゃ・・」

"ふっ"・・・女は髪をかき上げる。
「貴方が殺したのは、私の身替わり・・・私は運よく助けられたのよ。」

(・・・・え?・・・・"殺した"って言ったのか?・・・)
僕は訳も分からず、無意識に自分の股間を握り締めていた。
何とかして股間の興奮を抑えながら、僕はありったけの記憶をめぐらせる。

そこで、以前アヤさんが送ってきたメールの内容を思い出した。
『美貴には腹違いのお姉さんがいたかもしれないの。ただ、相当な難産で、お母さんは産後容態が悪化して亡くなったみたい。ただ、生まれた子供の行方はわかってないのよね…』

広隆さんの言ったことと矛盾している。
目の前のこの人が、ミキさんのお姉さん?
本当だとしたら、さっき彼女が言った『身替わり』って何のことだろう?

僕は疑心の表情で広隆さんを顧みた。
広隆さんは、相当に狼狽えしていた。
身体から染み出た汗がシャツを濡らし、水をかぶったかのようにピタリと貼付いている。
透けて見える褐色の筋肉が、男の盛りを一層に誇張し、男の色気さえも漂わせていた。

「どうなさったの?そんなに汗かいて・・お・と・う・さ・ん・・・」
女はからかうようにそう言いながら、僕の背後に回り抱きついてきた。

「貴方が愛人と結託して、邪魔になった母さんを殺したことは分かっている・・・
そして、生まれたばかりの私の命まで亡きものにしようとした・・・」

女は後ろから僕の耳朶を甘く噛み、手を伸ばし、僕の股間を柔んわりと揉みしだきはじめた・・・
だ、ダメだ…このままだと…

―その瞬間。
一瞬で、視界が天を向いた。
それと同時に、全身に激しい痛みを感じる。

広隆さんが僕と女性を無理矢理引き離そうとして飛び掛ってきたのだ。
「君が何をしたいのかはわからないが、一馬くんは巻き込むな!」
広隆さんは女性を車に乗せ、荒っぽく発進させ、その場を去った。

「いててて…」
痛む身体を起こして、放り投げてしまった鞄を取る。
さっきのやり取りで時間を使ったせいか、空は真っ暗だった。

そこに
さっきと別の車がやってきた。
運転するのはアヤさん、助手席にミキさんも乗っていた。

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