海で・・ 13
「貴方、まだ15でしょ?高校生?」
女は長い髪をかき上げ、赤い唇を回すように長い舌で窄めた。
「い、いえ。まだ中3です。。」
僕は疑心に思いながらも、正直に答えた。
「まあぁ、まだ中学生。真面目そうに見えて、とんだ不良少年ね。」
「そ、そんなことない ・・」
訳が分からない・・
いくらミキさんに似ているからといって、突然にこんな無礼なことを言われる筋合いはなかった。
「だってその歳で、7つも年上の女に抱かれているんでしょ?真面目とは言えないわよね。」
「ぼ、僕はぁ・・・遊びでミキさんと寝てるんじゃない!!」
僕は声を荒気た。
ホントだった。初めは童貞を捨てたくてナンパはしたものの、今ではそんな遊び気分でミキさんに抱かれている訳では無かったのだ。
それが属に言う『愛』なのか?
そんなことは経験の無い僕には分かりはしないが、それでもミキさんを大切に思う気持ちに嘘偽りは無かった。
「知ってる?どうゆう形にしろ、大人が未成年を抱くと淫行罪になるのよ。知ってる?淫行って・・」
「淫行・・」
知ってはいた。
年令を誤魔化して出会い系で知り合い、実はまだ中坊だと白状した上で、人妻から金をせびるクラスメートを知っていた。
「御両親は中原美貴のこと知っているのかしら?」
僕は答えに詰まり、眉を顰めることしかできなかった。
それは、この女が親のこと持ち出したからに他ならないが、それにも増して、ミキさんのことを呼び捨てにしたことに、引っかかりを感じたのだ。
「まあ、貴方達が遊びや金欲しさじゃなくて、本当に愛し合っているようだから、私も警察に言うようなマネはしないけど」
僕は思い切って彼女に尋ねる。
「貴女はいったい、ミキさんの何なんですか?」
「ふふっ。御両親は旅行中なんでしょ?」
「は、はい・・どうしてそれを?」
女は躯を擦り寄せ、僕の首に腕を回した。
「貴方のことは何でも知っているは・・続きはお家の中で話しましょうよ・・」
そう言うなり、僕の耳朶に熱い息を吹き掛ける・・・
(・・・・・!!)
僕はぞくぞくと這い上がる快感を必死で堪えた。
考えてみたら、ミキさんと信藤さんのことに気を病んで、何日も自慰行為はしていなかった。
草食系と言われる自分が、精を溜めることには慣れてはいたが、ウィークポイントである耳朶を攻められては、自制心を保つ自信はなかった。
現に自分の意志とは関係なく、ノッソリと竿がズボンの中で動き始めていた。
そこに、一台の車が。
…さっきの車…広隆さんだ。
「一馬くん、忘れ物が…って、君は…」
僕の目の前にいる女性を見て、広隆さんが驚く。
「お久しぶりです、広隆さん…いえ、お父様、と言いましょうか」
「(えええええええ!?)」
彼女の発した言葉に、僕は驚くほかなかった。