海で・・ 112
「ン?・・ああ、専業主婦だからね。でも、身体が弱いから入退院の繰返しなんだ・・」
「そっか・・一馬くんが女の人に優しいのも、そのせいなんだね・・」
「優しいか?・・ただ意気地が無いだけだよ・・」
「そんなことないよ・・一馬くんは私が会った男の人の中で、一番優しいよ。」
真帆はそう言って微笑む。
「そう、かな?」
「うん、そうだよ」
さりげなくこういうことを言う真帆に対して、少し視線を合わせづらい自分がいる。
「ところで、この後、どうしようか?」
真帆が僕に尋ねてくる。
(「今日・・シヨ・・」)
真帆に言われた言葉が甦る。
僕もしたかった。
由佳里さんとヤッタあの日以来、真帆とはもちろんミキさんともしてはいなかった。
「どっか、2人っきりになれる所・・行くか・・」
僕は真帆の手を握った。
「場所、あるかな?」
「まあ、なんとかなるんじゃないかな?」
今日、母さんは通院の日だったよな…などと思いながら僕は真帆を連れて歩く。
木崎さんと野上さんは2人でお茶してから帰るようで
「君は真帆と楽しみなさい」
なんて言われていた…
行く宛もなく街を彷徨いながら、僕はミキさんに連絡を入れた。
合格の報告もさることながら、あわよくばまた3人でデキはしなかという、スケベ心があったのだ。
それほどに一馬にとってあの3Pの体験は忘れ難く、思い出すだけでも自身はむくむくと頭をもたげてきた。
現にこの1週間の1Hのオカズは、あれ程に刺激的だった由佳里さんの裸体ではなく、ミキさんと真帆、2人から受けた愛撫の数々だった。
「ミキさん、何だって?」
携帯を閉じると、真帆がポケットに手を突っ込んできた。
「ああ、近くにいるから合流するってさ。」
僕は真帆の手から逃げるように腰を引いた。
「来るまで我慢できるぅ〜?」
真帆は僕の勃起を擦りながら、甘い声を出した。