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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 110


「あ、はい…」
勢い余った僕を、由佳里さんは微笑みながら諌める。

「その言葉を言う人は、私じゃないはずよ」
「ですね…」
恥ずかしくて頭を思わずかきむしる。

「一馬くんは優しくて、強い人だから、きっとみんなを愛すことが出来ると思うよ」
「そうですか…」
「だから、頑張ってね!」
「はいっ!」



―それから一週間が経った。
いよいよ、合格発表の日を迎える。

僕は朝勃ちのモッコリをスウェットに表わしたまま台所に行き、
それに気づいた親父に"よっ!元気だな!"とからかわれながらも、母さんの作ってくれた朝食をパクつく。

「ネットで発表すりゃーいいのにな。」
マグカップの湯気で眼鏡を曇らせた親父が、新聞を広げながらボソリと言う。

「それが校風なんだっていうから仕方ないはよ・・
今日は午後から雪になるって言うから、暖かくして行くのよ。」
母さんが心配そうに、それでいてさり気なく言う。
見ると目の下にクマが出来ている。
僕のことが気がきでは無く、ろくに眠ってはいないのだろう・・

「うん・・分かったら一番に連絡する・・」
僕は心とは裏腹に、ぶっきらぼうに返すことしかできなかった。


朝食を食べ終え、しばらくして家を出る。
外は澄み切った青空が広がっている。

待ち合わせの場所には真帆と木崎さん、野上さんの3人がいる。
「おっはよー」
「やあ」
「その顔を見ると、緊張はしてないようだね」
木崎さんがいつものようにニヤつきながら言う。
「まあ、どっちに転んでもなるようになる…からねぇ」
「大丈夫!絶対皆合格するっ!」
それを聞いて、真帆が少し怒ったように言う。

「大丈夫だよ、ねっ?」
真帆は僕のほうを向いて澄ました笑顔を見せる。
「う、うん」
その顔にどういう反応をしたらいいのかわからなくて、曖昧な返事しか出来なかった。

掲示板の前には既に人だかりが出来ていた。
バンザイ三唱する声、ピースサインを掲げて記念写真を撮る者・・
そんな中に紛れて、顔を伏せ、そそくさとその場を離れる者の姿も見て取れた。

ゴクッ・・・
渇いた喉が鳴った・・
僕は拳を握る。
真冬だというのに、汗をかいたそれはヌメっと熱を持っている。

「今更ジタバタしたってしょうがないよ♪」
横の真帆が僕のコートのポケットに手を突っ込んでくる。

「今日・・シヨ・・」
そう真帆は小声で囁くと、僕の股間を柔らかく握ってきた。

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