海で・・ 109
「あああ〜っ…!」
それを受け止めた由佳里さんも絶頂に達した。
僕の分身から由佳里さんの膣へ、熱いモノがドクドクと注がれていく。
「うああ…」
それが実感されると、全身から力が抜けていった。
―「ふぅ」
脱力感に襲われてから数十分、ようやく身体を動かす。
由佳里さんはベッドに横になったまま。
…無二の親友の部屋で、その実の姉と身体を重ねた。
少し後ろめたさはあったが、すぐに自分の意識から振り払う。
「一馬くん、ありがと」
由佳里さんから不意に、そう言われた。
「由佳里さん…」
「頑張って、二人とも愛してあげてね」
「はい…」
「一馬くんなら、絶対出来ると、私思ってるから」
そう言いながら、由佳里さんはゆっくり身体を起こすと脱いだ服を着なおす。
それを見て、僕も脱ぎ捨てた服に手を伸ばす。
服を着ると、同じように着直した由佳里さんがニコリと微笑んでいた。
「頑張ってね」
「はい」
「それと…ありがと♪」
そう言うと、由佳里さんは僕の頬にそっと唇をつけた。
由佳里さんにも、応援された。
僕は、より強い気持ちを持つことが出来たかもしれない―
そう思うと、お礼を言うのは僕の方だった。
そして、あんなにも抵抗した自分が、由佳里さんに申し訳なくもあった。
「本当にありがとうございました!
僕・・由佳里さんとヤレてよかった。前以上に由佳里さんのこと、ス・」
"好き"と言おうとした唇は、由佳里さんの人さし指に押さえられた。
「それは言っちゃ駄目・・」
由佳里さんは三日月のように目を細め、ゆっくりと微笑んだ。