海で・・ 1081
あの時、僕は単に青色が好きだという理由だけで青いビキニを着けていたミキさんを選んだ…
もしあの時アヤさんが青いビキニを来ていたら、間違いなく僕はミキさんじゃなくてアヤさんを選んでいたんだもんな;…
まあ人生において“もし…”は存在しないって…誰かが言っていたけどね…
食事を続けているとだんだんと周りに空席が多くなり、ピーク時が過ぎたんだなと実感する。
まあこのほうが落ち着いていられるしいいかな。
「あぁ、真澄ちゃんが気になるお客様がって言ったのは、美貴ちゃんと一馬くんだったのね」
「ご無沙汰してます」
「いえいえ、私も会って話がしたいなって思ってたんだ」
当店のシェフ、咲乃さんがやってきた。
「今日は咲乃さんの料理が食べたくてやって来たんです」
僕はフォークに赤い肉色のローストビーフを刺しながら言った。
「まあそれは遠路遥々ありがとうございます〜」
ニッコリと微笑み、胸元に手を宛がってお辞儀する咲乃さん…
服の上からでも巨乳はやっぱり分かるよな…
その巨乳…もだけど、この美味しい料理は最高だ。
いずれ初音も咲乃さんを追って、こういうお店で料理したりするのかなぁ。
…あの裸エプロン姿が浮かんだけどそれは言えるはずない。僕の記憶にとどめておこう。
「あの、咲乃さん」
ミキさんは少し声を潜めて咲乃さんに問いかける。
それを察して、咲乃さんもミキさんのほうに近づき、話を聞く。
梨花さんのことだろう。
ミキさんの顔が曇る…
ここからじゃよく聞こえないけど、咲乃さんのその返答は余りよくないものだと鈍い僕でも察しは着く…
「あ、あの…」
2人のこそこそと話す間に割って入る…
当然僕だって梨花さんの容態は心配だ…