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海で・・
官能リレー小説 - 年上

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海で・・ 1060

読書スペースに並んで座る。
彩花は難しそうなハードカバーの分厚い本をデスクの上に置いた。
…中身がどうであれ僕には絶対縁遠い内容だな。

「飲み物でも買う?」
「ええっ?…ああ…そうだね」
向こう側にカフェのようなスペースがある。ここの本屋も変わったよな…

ついこなだ秀人とエロ本をコソコソ購入してた気もするけど、もうあれも随分と前のことになるんだな…
あの時は街外れの寂れた本屋に過ぎなかったのに、こんなお洒落になっちゃぁこの先そうゆう本は絶対に買えないね;

「あ、そうだ…一馬くんだったら奥にある洋書の写真集なんかどうかしら?…」
「写真集?…」
「ええ…芸術作品だからボカシは無いはよぉ」
僕の心を読んだかのように彩花はニヤっと笑う…

「いやいや、僕はそんな…」
「ふふふ、お気に入りが見つかるかもしれませんよ?」
「そんなね〜…」

客足は疎らだけどそういうの見てるだけでも目立つだろうから…まして僕なんて場違いでしょう。

「そういう彩花は何を読むの?」

「濃厚な恋愛小説…本から学ぶばっかりだから頭デッカチになっちゃうのよね…」
なるほど…彩花が時々遠い目をするのは、小説の中に入っているのかもしれないな… 

「でもどういうものにしろ、ちゃんと本を読む彩花は偉いよ。」
僕なんてまともに本を読んだ記憶が無いもんね;…
「ふふ、素直にほめてくれる一馬くんは素敵です」
「そうかな」

せっかくだから彩佳の分も一緒に飲み物を買ってこよう。
僕はカフェのカウンターでジュースを二人分頼んで持ってくる。

これだけお洒落でくつろげるなら、長居もしちゃうよなぁ。

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