海で・・ 1056
「学校には僕も一緒に…」
「ふふっ、車に乗せてあげようか?でも裏門か奥の駐車場までね。教師と生徒が車で一緒って、多分認めてはくれるだろうけどみんなの間で噂になっちゃマズいからね」
「そうですよね」
「一馬くんはお昼は?」
「購買で買いますよ」
「あらぁ?…お姉ちゃんは作ってくれなかったの?…」
「そんなこと無いですよ、もちろんお腹が大きくなる前までは、父さんの分まで毎日欠かさず作ってくれていましたよ…」
やっぱり無理をさせる訳にはいかなかったからね。
「…愛妻弁当作っちゃうなんて、お姉ちゃんらしいなぁ〜」
いやいや;…父さんの分は僕のオマケみたいなもんだったと思うけど;…
「お父さんって普段はお昼どうしてたんだろ」
「同僚とかと外食とか行ってるんじゃないかな」
「なるほど…」
何かを考えるみゆきさん。
「ところで、さ。一馬くんって、美貴ちゃんとはどう?上手くいってる?」
そうだった…みゆきさんには僕とミキさんの関係、知られちゃっているんだっけか;…
「まあぁ、こないだも一緒に名古屋に行って来ましたし…」
あれ以来、話しらしい話しも録に出来てはいないのが実情ではあるんですけどね;…
「名古屋って…藤堂先生の所に…?」
あれ…みゆきさんには話してはいなかったぁっけ…?
「そうですね、あかりさんとの話を聞きたくて」
「どうだった?」
「僕らとしては藤堂先生に戻って来てもらいたいですけど、時間はかかりそうで…」
「まあ、仕方ないよね」
「でも良かったな、美貴ちゃんとは順調なのね」
「あっ、はい…」