海で・・ 1043
部室を出る時、美優ちゃんの置き手紙に気付いく…
『今日は自分だけイッちゃってごめんなさいでした。(しかもそのあと爆睡しちゃって(汗;))
この埋め合わせは近い内に必ず…です(♪)
ps.よかったら水着使ってくださいね。一馬くんには絶対似合うと思いますよぉ(笑)』
見るとあの水着が小さく畳まれて、手紙のあった場所に置いてある。
…とは言われたものの、着る機会あるかなぁ。
裸に近いデザインだし、生地もなんか薄そうだし。
とりあえず持ち帰って、タンスの奥にしまっておくかな
僕はそれをカバンの中にそっとしまい込んで、着替えて部室を出た。
その日は真帆と一緒に、久しぶりの帰り道。
さすがに2度目はしなかったけど、真帆の笑顔が近くで見れるのはいいことだ。
「義理のお母さん、まだ入院中なんでしょ?…夕飯とか何か手伝おうか?…」
いや、みゆきさんがあれだけ張り切っていたのだから、真帆の出る幕は無いんじゃないかな?
「ありがとう、でも手伝いの人が来るから心配いらないよ。」
それがみゆきさんとはなんだか言えない…面倒なことにはなりたく無いからね;。
「んー、そっか。頑張ってね、お兄ちゃん♪」
「それってどういう意味だよ」
「一馬くんもお兄ちゃんになったんでしょ、責任があるんだよ〜」
…兄になるって、実感がわかないなぁ。
しかもかなり歳が離れてるし。
真帆と別れ帰宅する。
みゆきさんは家に来てるのかな?
あかりさんが退院してくるまでの暫くの間だけど、やっぱり顔はニヤけてしてしまう。
みゆきさんはあかりさん以上にパワフルな女性だから、その間は僕も負けないように、シャキシャキと生活しなくちゃだよね。
期待心から歩調はだんだんと速くなり、坂の下まで来ると僕は全力で駆け上がっていた。