海で・・ 1022
みゆきさんの瞳は子供のようにキラキラと輝いている。
そんなに楽しみなことってあるのかなぁ…
「お姉ちゃんほどできないかもしれないけど、よろしくね」
「いえ、無理なさらずに…」
「いいのよ、どんどん頼っていいんだから」
みゆきさんとの話はそこで終わり、僕は教室に向かい普通に授業を受けるのだった。
「おめでとう!無事に産まれたんだってぇ」
休み時間になると、茜と初音がニタリ顔で寄って来た…
「どうして知ってんだ?…友達にはまだ誰にも言ってないのに…」
まあ唯だけには話しちゃったけど、この二人にそれを言うと何かと詮索されそうだもんな;…
「真帆からだよ…真帆はお母さんから聞いたって言ってたけど…」
「ああ、真帆かぁ」
…真帆?いや、アイツにも言ってはいないけど、そのお母さん、紀美子さんか。
でも紀美子さんがどうして知ってるんだろう……あっ
…父さんか。
父さんと紀美子さんは男女の仲…いや待て、2人、続けていたのか。
あかりさんが本格的に母親としてスタートするのに、なぁ。
飽きれると同時に、高校時代は付き合っていたんだという父さんと紀美子さんが、今こうしてまた…そういう関係にあるということに、なんだか感動してしまう…
僕も父さんぐらいの歳になった時、真帆やミキさんとどういう形にしろ繋がっていたいと…そんなことをぼんやりと考えてしまう…
「そっか、産まれたんだね。良かった」
一緒に藤堂先生からあかりさんとの話を聞いた成美は、僕の報告を聞いてホッとした様子で言った。
「で、どうなんだろ、父親が誰なのかとかまだわかるはずないし聞けないよね」
「顔立ちはお母さん似って言うし、さすがに…血液型がわかればまだ…」