海で・・ 1004
今はあの身体で、僕のためにも家事を頑張ってくれてるあかりさん、ホントに母親のようだ。
…さっきの妄想であかりさんも汚していることは絶対に言えないな。
風呂が沸き、汗を流すべく湯船に浸かる。
朝っぱらからひとっ走りしたら、かなりの汗になったな。
「…部活は、また別の話だよな」
出遅れてしまった僕はこのまま部活には入らず、ずっと帰宅部なんだろうとは思う。
既に人間関係の出来てしまっているところに、今更入っていくのもしんどい…
まあそれでもシンクロ部の女子たちは、こんな僕でも歓迎してくれるだろうけど、女の子ばかりの中に男が一人ってのは、まず考えられない…
となると後は演劇部ってことになるんだけど、それもちょっと、なんだか腰が引けてしまう…
まあ特に深く考えることでもないよな…
どちらにしてもいざ入るとなるときには、僕を温かく迎え入れてはくれるだろうけど…
しばらく風呂に使っていると、やっとすっきりした気分になる。
今日は朝からやたら身体を使ったからね。
脱衣所で服を着て、ちょっと遅めの朝ごはんをとる。
あかりさんの手料理はいつもながら美味しい。
これで身持ちさえ堅かったら言うこと無いんだろうけど;…
まあ今後藤堂先生とのことみたいなことは起きないだろうけどね…;
父さんは“受け止める”と言ってくれているとはいえ、産まれて子が藤堂先生の子供じゃないことを心底願うしかないよな…
そうじゃなきゃ、僕ともキョウダイってことにはならない訳だからな…
朝食を食べ終えリビングでくつろぐ。
一人の空間は気持ちがいいけど何もすることがないと少々退屈に感じてしまう。
さっきのAVがもっと中身のあるものだったらなぁ。
ソファーの上に寝転んでいると、玄関のベルが鳴った。
「…誰だろう」
勧誘とかだったら御断りだけど…
「はい、どちら様で…」
「一馬くん?私、私」
「咲乃さん!?」