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近所のお姉さん
官能リレー小説 - 年上

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近所のお姉さん 37

吹雪が止み、二人が救出されたのは、次の日の正午を過ぎてからだった。
こうしてハプニングに見舞われながらも、三泊四日のスキー旅行は終わり、裕也と京子は無事に家に帰る事が出来た。
そしてあのスキー旅行から三ヶ月の歳月が流れた。
「入学おめでとう裕也くん!来週からは裕也くんも中学生ね」
「うん!ありがとう京子お姉ちゃん!お姉ちゃんもお誕生日おめでとう!」
「・・・ええ、ありがとう裕也くん・・・」
(ああ・・・私、とうとう本当に大人って呼ばれる年に成っちゃったのね・・・)
裕也の中学入学と前後して、京子もまた二十歳の誕生日を迎えた。
本来なら喜ばしいハズだったが、京子にとってそれは裕也との年齢の差という断絶をまざまざと見せつけられるかのような気分だった。
(あのスキー旅行以後もズルズルと関係を続けてしまったけど、本当にこれで良かったのかしら・・・)
スキー旅行の後も、京子と裕也は関係を続けていた。
それどころか、あの山小屋でのセックス以来、以前はどちらかというと京子が握っていた主導権が裕也へと移り、京子は毎晩のように彼の肉棒に征服され、支配されてきた。
京子はその事にも、内心自責の念に駆られるが、もはや自分がこの目の前の幼い少年から逃れられないという事も理解していた。
「それで?確か今日はこの後景子たちと一緒に、麻衣の家で私の誕生日と裕也くんの入学祝いをやるんでしょう?なのにパーティーの時間よりこんなに早く呼び出してどうしたの?」
「うん!実は京子お姉ちゃんにプレゼントが有るんだ!!景子さん達に相談したらこれが一番だって!!」
「プレゼント?」
京子は内心首を傾げた。
プレゼントを渡すならこんな人気の無い公園ではなく、それこそパーティーの時に渡せば良い事なのに。
裕也はズボンの尻ポケットからある物を取り出す。
「受け取ってくれるよね・・・」
そう言うと裕也は京子の左手を取り、その薬指にそっと指輪を填める。
「裕也くん、これって・・・」
京子は薬指に填められた銀色のシンプルな型の指輪に驚きの表情を浮かべた。
「僕と京子お姉ちゃんがまだ結婚出来ないのは勿論分かってる。でも、僕は一生京子お姉ちゃん・・・イヤ、京子さんと一緒に居たいんだ!・・・だから之はその証。僕が京子さんを愛し続けるっていう誓いの証だ!」
裕也は十二歳の少年とは思えない程大人びた表情で、ジッと京子の瞳を見詰めながら、自らにそう制約する。
「裕也くん・・・あなたそこまで私の事を・・・」
最初は驚きの表情を浮かべていた京子の瞳が、涙でウルウルと緩む。
(ああ・・・私、幸せすぎて、このまま死んでしまいたい・・・)
「ありがとう裕也くん・・・嬉しいわ・・・でも、この指輪はまだ受け取れないわ・・・」
京子は左手の薬指から指輪を外す。
「え!どうして!?まだ僕の気持ちを疑っているの!?」
「いいえ・・・言ったでしょう?“まだ”受け取れないって・・・もし、裕也くんが二十歳に成った時。まだ私の事を好きで居てくれたら、その時もう一度この指輪を渡してちょうだい・・・」
京子の言葉に裕也は不満げな表情を浮かべるが、次の瞬間指輪をギュ!と握り絞め決意を込めて言った。
「分かったよ!僕が二十歳に成った時。もう一度京子さんにこの指輪を渡す!その時は僕と結婚してくれるよね?」
「ええ、もちろん約束するわ・・・」
この時京子は思った。
恐らくそんな日は来ないだろうと、何時の日か裕也は自分に似合いの年頃の恋人を見つけ、自分の年上の女性への想いは、恋では無くタダの憧れだと理解し、自分の下を去っていくだろうと。
この日の思いもやがては風化し、自分との関係も若き日の過ちと知り、全てはセピア色の思い出と成る。
(でも、構わないわ・・・例え裕也くんが私の下を去って行っても、この思い出だけで生きていける・・・)

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