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うちのクラスの【千年さん】
官能リレー小説 - 学園物

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うちのクラスの【千年さん】 80

玄関を出るや否や両腕にしっかりと抱き付かれる。しかも三人横に並ぶと幅を取るからという事で二人して更に密着してきて、軽いおしくらまんじゅう状態である。気にしすぎなのか実際見られてるのか分からないけど随分と視線を感じる気がする。そんな僕とは違って左右の二人は周りを全く気にせずご機嫌で話しかけてくる。

スーパーに着いても二人のテンションは変わらずで腕を離してくれない。カゴを取って持とうとしても拒否された。
僕がカゴを持つ=その腕は使用不能
という事で駄目らしい。

一対一なら片方の腕が空くからそちらで持てるけど一対二ではカゴをまともには持てない。結局凪沙ちゃんが品物を取って未羽ちゃんのカゴに入れるという形になった。
僕の夕食のリクエストに対して足りない物を買う事になったけど店内では明らかに注目を集めてる。

男一人に左右に美少女二人のサンドイッチで買い物となれば目立って当然である。僕が言うのもなんだけど誰が見ても左右の美少女は共に真ん中の男、つまり僕に好意を持っているのは疑わないだろう。思春期の少女が兄弟や友達止まりの男にする様なレベルではない密着ぶりでなのだ。

そして一対一のカップルじゃないから普通のカップルよりも目立つ度合いが跳ね上がる。反応も様々であり、中にはテンション高くコチラを見てた女子達やら愕然としている男子もいた。多分僕等の高校か凪沙ちゃんの中学の生徒と思われる。

僕にとっては羞恥プレイ同然であるが未羽ちゃんと凪沙ちゃんは周りが見えてないのかどうでもいいのか動揺する素振りすら見せない。
結局出発から帰宅迄の間ハイテンションの姉妹とそれに振り回される僕なのであった。

帰宅するとドッと疲れが。
買い物自体は1時間もかけてないのだが未羽ちゃん凪沙ちゃん両側のテンションの高さもあって生きた心地がしなかったのだ。
体感時間としてはもっと長く感じたかもしれない。

「お疲れさま」
「どうもです」

帰ってくるなりげんなりの僕に美鳥さんは冷たいコーヒーをくれた。

「予想通りだけど大変だったみたいね」
「え〜何が?すごく楽しかったよ!」
「たかがスーパーでの買い物であんなに楽しめるとは思わなかったですよ」

興奮冷めやらぬ妹達である。

「呑気な子達ね。散々注目されたんでしょうに」
「ええ。店内では特に。僕等のうち誰かを知ってるっぽいのも何人かいましたよ」
「え?そうなの?」
「全然気付きませんでした」
「……本当に周りが見えてなかったんだ」
「その他は完全に眼中に無しなのね」
「ん?そりゃあそうだよ」
「当たり前ですね」

言い切ってるよこの人達。

「まさかエロス関連とかヤバい事は口走って無いでしょうね?」
「大丈夫でしたよ……辛うじて。エロではないですけど、馬鹿ップルとか新婚夫婦と揶揄される様なラブラブな発言は連発してましたが」
「そうかなぁ?」
「普通の会話でしたよ」

全く自覚無いよこの二人!

「なかなか大変ね」

美鳥さんは苦笑する。

「公の場で際どい発言ってどうなのかなって思うけど、エロを実行に移すまでは行かなくて良かったんじゃないかしら」
「人目につかない場所はありませんでしたから」

おい末妹。そんな場所見つけたらやるつもりだったのか。

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