PiPi's World 投稿小説

うちのクラスの【千年さん】
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 32
 34
の最後へ

うちのクラスの【千年さん】 34

『鶴木さんの事ね。学校中で騒ぎになってるわよ。それにしても流石冬馬くんね、あの鶴木さんを射止めるなんてやるじゃないの。しかも随分とお熱い間柄らしいわね』

『まあ、美乃梨先生の方にも噂は届きますよね』

『あちこちで話題になってるし、保健室でボヤいてる子もいたのよ。しかも鶴木さんの方が随分とベタ惚れらしいじゃない』

『ええ、有難い事に。ただ思っていた以上に気に入られてるみたいで少々暴走気味でして。あんなにオープンにするとは思ってませんでしたよ』

『で、好かれ過ぎて困ってると。贅沢な話ね』

『ご尤もです』

『それで鶴木さんを落ち着かせると言うか、もう少し自重させたいって感じかな?』

『まあ、そんなところです。好いてくれるのは滅茶苦茶嬉しいんですけど思ってた以上に好かれてしまった様で今後の彼女の人生が大丈夫かなと思いまして』

『まあ、なる様にしかならないでしょ』

『いやもう少しアドバイス的なものを考えて下さいよ』

『無理よ。推測だけど貴方が彼女に劇薬を使ったからどハマりされたんでしょうから』

『いや、薬なんか盛ってませんって!』

『違うわよ。貴方の必殺武器を使って彼女をモノにしたんじゃないの?あんな凶悪な代物で乙女を女にしちゃったらメロメロにもなるわよ』

やっぱ、そうなるよな。
未羽ちゃんのことはもちろん大好きだけど正直あそこまでメロメロになってしまうとは思わなかった。自業自得な面だって感じている。
こうなった以上責任は取らないといけない……


「さて、未羽ちゃん、帰ろ――あれ?」

この流れだったら「一緒に帰ろ」(ハート)って飛びついてくるだろうその人の姿が教室にはなかった。
トイレにでも行ってるのか?

その時だ。

『助けてダーリン。牛島に捕まった』

……!?
牛島ってのは僕らのクラスも担当している体育教師だ。生徒からも教師からも評判はすこぶる悪い。そんな奴に未羽ちゃんがつかまるっていったい。



「未羽ちゃん?!大丈夫?!」
「あー!冬馬くん!……って、あの、後ろの人達は?」
「ああ、なんか付いて来ちゃったんだ」

あの後追加で来たメールに場所が記されてて僕が『未羽ちゃん?!』と叫んで走り出したもんだから何だ何だと野次馬が集まって来てしまった。

「何があったの?」
「簡単に言うと、牛島先生に襲われそうになったから目潰しをかけてスタンガン当てたの」
「そ、そんな物持ってたの?」
「うん、護身用にね。あとボイスレコーダーもあるから証拠はバッチリだよ」
「よ、用意が良いね」
「以前危ない事があったから両親に持たされてるの。他にも色々あるんだぁ」

未羽ちゃんはそう言って他にも持っている防犯グッズをいくつか見せる。

「まあ、これで動かぬ証拠も出来たし、この人も逮捕されて終わりだよね。色々裏でやってたみたいだから、ある意味良かったよ」
「いや、コッチは気が気じゃなかったよ」
「ごめんね冬馬くん。でも冬馬くんを悪く言う人は絶対に許せなかったからね。うーっ、やっぱりまだお仕置きが足りないから股間踏んづけようかな」
「ちょ、ちょ、未羽ちゃん?!」
「女性の敵で冬馬くんの敵なら徹底的にやっつけないと」
「だ、駄目だって!これ以上は過剰防衛とかになっちゃうから!ね!ね!」
「じゃあ冬馬くんが私をぎゅーってして」
「わ、分かった、分かったから」

僕は他のギャラリーを無視して未羽ちゃんを抱き締めた。

「冬馬くん、怖かったよー」
「おー、よしよし」

未羽ちゃんは御満悦で機嫌が直りそうだが……恐らく僕とこの場にいる人達、特に男連中の殆どと意見は一致するだろう。

いや、貴女の方が怖いよ!と

この一件で鶴木未羽は絶対に怒らせるな!というのが学校での不文律となったのは致し方ないだろう。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す