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うちのクラスの【千年さん】
官能リレー小説 - 学園物

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うちのクラスの【千年さん】 26

「じゃあ其処行こうか」
「うん」

楽しくお喋りしながら僕等は目的の本屋に入る。店舗の大きさもあって品揃えも豊富そうだ。

「どのコーナーに行く?」
「取り敢えず文庫本だね」
「まあ、そうだよね」
「ウケ狙いで別のジャンルを言えば良かったかな?」
「でも、例えばバイクとかプラモの雑誌コーナーって言われても意外とは思ってもウケるかと言うとね。と言うかウケるジャンルって有るのかな?」
「うーん。高確率でスベりそうだね」

そうこう話している内に文庫本の新刊コーナーに辿り着いた。

興味深そうに新刊をあれこれ手にとって確認する未羽ちゃん。
ホントに本が好きなんだなと思いながらその姿を見入ってしまう。

「冬馬くんも気に入ったの探して良いんだよ」
「未羽ちゃんの可愛い姿を見るだけでお腹いっぱいかな」
「何それ」

そんなやり取りをしながら並んでる本にも視線を落とす。

ああ、未羽ちゃんを二次元化したみたいなキャラが表紙に描かれているのがあるな。ラノベだろうか。

ちょっと気になったので手に取ってみた。やっぱり何処となく未羽ちゃんに似てるなぁ。

「ん?冬馬くん何か良さそうなの有ったの?」
「えっと、イラストが未羽ちゃんにかなり似てる感じだったから手に取ってみたんだ」
「へぇ、どんなの?見せて」
「コレだよ」
「…………」
「アレ?どうかした?」
「いや、あの、まあ、私をデフォルメした感じって言われたらまあ、似てるかもしれないけど……」
「けど?」
「冬馬くん、この本の内容というかジャンルって分かる?」
「ライトノベルじゃないの?」
「まあ、間違っては無いけど、その、細かく言うとアダルトと言うかエロと言うか……」
「えっ?!コレ官能小説なの?」
「んーとねぇ。それも間違ってるとは言い切れないというか、線引きが難しいと言うか……まあ、大雑把に言えばエロにかなり力を入れたライトノベルとでも言えば良いのかな?」

やっちゃったああぁっ!つまりこのエロ本のキャラ、未羽ちゃんに似てるね!って言ってる様なものじゃないかぁ?!

「ああー、なんかごめんね…」
「あはは、別にそんな気にすることないって」
がっくり肩を落とす僕を優しくフォローしてくれる未羽ちゃん。君は天使か女神だよ。

「こういうギリギリのところを行く作品って結構あるしね。私も興味ないわけじゃないし」
「あ、そうなの…」
「どっかの男子が私に聞こえるように『鶴木に似てるAV女優見つけた』って言ってたのに比べたら冬馬くんなら全然大丈夫」

「何だそれ。ふざけた奴がいるな」
「まあまあ。近くにいた他の女の子達から即座にブーイングを受けて殆どの女の子に嫌われたから」
「ああ、それってもしかしてアイツかな。妙に女子受けが悪いなぁと思ってたけど」
「うん。それで、それからは随分と大人しくなったんだ」

まあ未羽ちゃんは男女問わずに大人気だからなぁ、そんな未羽ちゃんにセクハラじみた事したら袋叩きにあっても当然だよな。

ただ男子からそこまでは嫌われてないのは未羽ちゃんに似てるってAV女優の情報の共有とかしてるからかもしれないな。今なら兎も角、未羽ちゃんとまともな付き合いが無かった時ならジャンル次第ではその女優の作品には僕も興味あるし、お世話になってたかもしれない。

「でもこういうのにも興味あったんだ」
「まあ、冬馬くんも私の本性はそれなりに理解したでしょう?それにもっとソフトなのだけど前に軽く紹介した事もあったじゃない」

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