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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 94

『全てが虚飾、街は荒れ、人の魂は膿み、大義もない…義の士よ!今こそ立て!』

その幻の様な女…鈴木誠二は、自分の芝居がかった語り口調に『我ながらショボい演技だなぁ』と笑いを堪えるしかなかった。


「そう…喰らい尽くすッ!旧学園の無責任なオトナ達が残していった…暴力も!欲望も!この僕!神樹天地がッ!」

日も暮れた街の片隅、何処か酔った瞳で神樹天地は今一度小さく、しかし力強く呟いた。

「悪意全てを喰らい尽くす…力無き人々の為に…。」

外伝第六部・神樹天地編『天地が喰らう』(完)


第七部『西珠久(仮名)編』

「『炉』の手配は完了、『ファントム』量産完了、『空中庭園』復元完了、これで彼からの依頼は全て完了だね」
世界のどこかの薄暗い部屋で椅子に腰掛けた青年が携帯端末をパチリと閉じる。
「さて、これで『学園』の面々が勝てば僕の計画はいい感じに進んでるということになるかな」
ふふんっと軽く笑う。
「だがそううまく行くのか?さっき見てきたが、奴らファントムとかいうデク人形以外にも陸海空すべての方面から攻めるようだぞ?」

部屋の壁にもたれかかっていた黒ずくめの青年が椅子に座る青年に視線を送る。
「五神剣の情報リーク、『青龍子』の覚醒と人に戻す作業、鬼神刀継承者の生存、熊野の長の代替わり、『運命律』の一族断絶、etc.etc.挙げればきりがない」
椅子に座る青年が深くため息をつく。
「ようやくここまでたどり着けたんだ、みすみすそれを台無しにすることは出来ないね」
そう言うと立てかけてあった刀を手に取る。
「『少し』彼の兵力を削いでおこうかなっと、君も来るかい?『赤人』」
その言葉に赤人と呼ばれた青年が肩を軽く上げ遠慮の意志を示した。
「こっちはこっちでやることがあるんでな、それに俺もついてったら兵力を削ぎすぎる可能性もある」
「それもそうか、んじゃまそっちは頼むね。こっちはせいぜい楽しんでくるから」
「あいよ」
そう言うと青年が投げた携帯端末を赤人がキャッチした。
赤人は、帯刀した青年を横目に確かめながら、手元の端末を衛星中継の『画像』に切り替えてみる。
「中々善戦してるじゃないか?」

学園に侵攻する陸海空の陸…。

獣人タイプの能力者学生達が十字砲火を潜り抜け、生き残り十数名がルクレールMTB(各国に輸出されるフランス戦車)の砲列に立ち向かう。

手にある得物は良くて型落ち軍用銃、年代モノの猟銃、一目ナマクラとわかる日本刀、後は精々が通販ナイフ、ヌンチャクにナックル。
学生服ないしセーラー服の裾からはみ出した獣毛を振り乱し、一台のルクレールに取り付いた。

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