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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 1

これは『香港国際学園』が始まる前に起こったそれぞれの物語

一章『倶利伽羅みこと』

聖霊宮『黄龍の間』
静かな空間、香のほのかな薫りが心地よい。その空間に金色の髪に金色の瞳の青年が玉座に座りもうすぐ来るであろう人物を待っていた
「黄龍!!」
部屋の扉を乱暴に開いた着物姿に大剣を背負った黒髪紅瞳の青年が玉座に座る青年『黄龍』に向かって叫んだ
「貴様『天使』と取り引きしたのは本当か!!」
「?、あぁ…『京都』を攻撃しない代わりに我らは戦争に関与しないというあれか」
さも当たり前のように答える
「貴様…人間がどうなってもいいというのか!!」
「あぁ、関係は無い。我らが人間に欲するのは祈りと信仰のみ、信仰心無きその他の人間がどうなろうと、例え死に絶えようと関係はない」
冷たく言い放った
「だから『広島』を見殺しにしたのか…」
感情を押し殺した声で呟く
「そうだ」
黄龍の返事と同時に背の『竜王剣』を抜き斬りかかった
だが激しい金属音が響き剣が弾き飛ばされた
「何故止める!!『青龍』!!」
入り口で弓を構える蒼い髪の青年に叫んだ
「……ここで我らも戦争するか?我らが殺し合うなぞ、愚の骨頂を軽く超える」
「貴様も人間がどうなっても良いと言うか!!」
「そうは言っていない。……だが、一千年以上の永きに渡って結界がはられている京を破壊してみろ。結界内に溜った邪気が溢れるぞ。そうなれば、人間界がどうなるか、わからん貴様でもあるまい」
「だからといって、広島にいる人間たちを見殺しにはできん!!」
「……ここは堪えろ。膓が煮える思いは我も同じだ。目標が京以外なら、誰があのような取引きに応じようか……!」
青龍の言葉にとりあえずはぶつけようのない怒りを押し込めた
「…『次』はなんとしても止める。黄龍、俺は貴様の言うことは聞かん」
そう言うと荒々しく扉を閉めた
「…青龍」
「はっ…分かっております」
黄龍の呟きに青龍が片膝をついた


「クソッ、人間見殺しにして何が神か!!」
聖霊宮の廊下をドスドスと歩く倶利伽羅
と、その時
「『怒る黒竜煽る風、降るや降る止む雨嵐、光過ぎれば全て影、さても行く道矢の嵐、縛る荒縄解くは娘子』〜、さて」
見ると白髪に白い着流し姿の長身痩躯の男がカラコロと高下駄を鳴らしていた
「…何者だ」
「小生は『果心居士』、『道標士』ザンス」
そう言うと同時に姿が消え背後から声が聞こえた
「何かお怒りのご様子、さもありなん広島に『核』が落とされて〜、舌は出したが、手も足も出ない、その怒りはごもっとも〜」
倶利伽羅が振り向くが果心は庭の石の上に立ち唐笠を広げている
「道化が…なんの用だ」
竜王剣に手が伸びる
「まぁ落ち着いて、小生は道をを伝えに来ただけザ〜ンス」
「何?」
果心の言葉に剣から手を離した
「暗雲広がる九の国、そこに『核』が落とされる、そして黒竜闇の中、あらあらかしこ、あらかしこ」
それだけ言いニヤァ〜と笑った
「今から行けば間に合うザンスよ?倶・利・伽・羅・竜・王・殿」

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