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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 91

『大地うどん』と暖簾を下げた超高速屋台に轢かれたり、海兵隊学生からべトコン学生の容疑をかけられ『なるべく紳士的に武力行使』での解決に至ったり、アオザイ姿のHなおねいさん方には『ナメナメウマイヨー』などと纏わり付かれる。
たまたま見掛けた元・特別科の同級生が人外っぽい生徒を集めて「YES!我輩は諸君らと共に『魔界騎士団』の旗揚げを…!」などとアジを打っていたのは『他人のフリ』でスルーした。

ざっと見回し真っ先目に付くのは一目でヤクザ者と解る生徒、ないし過激な政治的主義主張を貫く思想家学生…そして彼らを主な顧客として日々の糧を稼ぐ連中。
どちらにせよ現在の普通科校長に言わせれば、旧学園然とした彼らは生きてるだけで犯罪だそうで、あえてこうした区域の警備体制を『生徒側の自主性とモラル』に任せる事によりワクチン効果…不良同士の共食い、共倒れを促しているという。


そんな話を通りすがり、ヤケに尊大でグラマラスで、微妙にセーラー服の似合わない年代の女が…馴れ馴れしく濡れ羽の黒髪を天地に纏わり付かせながら語ってくれた。
天地の朧な記憶では、特別科の資料で見せて貰った卒業生データの一人…それも最強クラスの一人に似ていた気がしたが、ハッキリ顔を確かめる間もなく『そいつ』は消えていた。

神樹天地の立ち去る背中、先程の街頭演説は更に白熱していた。
『戦の華は剣のみにあらず…格闘家、銃士、術者…各々が力を存分に震い…』
「ダイアモンド玄人…僕は僕の道を行くよ…。」
かつては親友にして良きライバルと認めた少年を一捌した…。

やがて辿り着いた管理区域とて、決して治安が良いとは言い切れない。
入校初日にIDから財布までスられたという女生徒は、薄幸オーラを全開で漂わせ、交番の警備員に泣き付いていた。
大通りでは不良に絡まれたらしい、青い髪のギタリストが救急車で運ばれていた。

そう、管理区域外と比べれは滅多に重犯罪は起こらない。
大抵が日没頃の物盗りに喧嘩程度、しかしあくまで目安。

「ひ…嫌ぁあ…!」
時として人目の届かぬ裏路地では、その滅多な事も起きている。

ハーフコートの襟に、中等部新入生の記章を付けた少女。
彼女は裂けたコンビニ袋の中で破裂した飲食物のミックスと、高校生位の男子生徒二人組を見比べていた。
「なんか背ぇ小せぇと思ったら、良く見りゃ中坊だべ?」
少女がコンビニで買ってきた夜食を残飯に変えた筒先、ごく薄い煙を上げる道具は紛れもなく銃。

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